――ウルトラマンシリーズといえば、怪獣やウルトラマンたちの巨大感を表現するために市街地の精密なミニチュアセットが作られることが多いですが、こういった特撮の現場を見学されたことはありますか。

平田:撮影の合間を縫って、行かせていただきました。みなさんのご厚意でミニチュアセットの中に立たせてもらったとき、「ウルトラマンとは、特撮とは、こういうことなんだな」って、体で理解した感じがありました。家や車や人が小さく見えて……つまりは自分が大きくなっているということですよね。精密に作られたミニチュアを自分の目で見ることによって、ウルトラマンへの理解度が増した気がします。

小池:僕も別の日に特撮現場を見に行ったんです。そのときは、怪獣が倒されて大爆発するシーンの撮影でした。

平田:あっ、それはいいなあ。見たかった!

小池:もう、凄い迫力でした。ミニチュアのかけらとかが飛んでくるので、ヘルメットを被っていないといけないし、爆発した後はすぐにスタジオを換気しないといけないんです。あの緊張感と迫力には、圧倒されました。あと、街のミニチュアで凄いなと思ったのは、道路にあるカーブミラーに、本物の鏡が入っていることです。

平田:撮影が行われている間でも、同時進行でミニチュアを作られているんですよ。造形スタッフの方々はまさしく「神」でしたね。

――第1~3話を手がけられた武居正能監督の印象はいかがでしたか。

平田:"熱い"演出をされる監督です。僕たちが演技をしているシーンと、怪獣が暴れているシーンはもちろん別々に撮っているのですが、怪獣がどこにいて、どんなフォルムをしていて、どのタイミングで振り返るかなど、実際には僕たちの目に見えていない怪獣の存在をすごく細かく伝えてくれたのが、とても印象に残りました。怪獣の動きに僕たちがどんなリアクションを取るかで、リアリティが違ってきますから、ここがもっとも気をつけなければいけない部分なんですね。

小池:お芝居の部分もそうなんですけれど、特にセリフのやりとりがない2人で歩いているシーンなどで、最初は「こういう風に歩いて」と細かく指示をいただいていましたが、将来的には指示がなくても「兄弟の関係性」が出るようにしてほしいと言われました。

平田:最近の撮影では、どんどん僕たちでアイデアを出しながらやっています。今度はこんな動きでいこうとか、どんどんアイデアがわいてきて(笑)。

小池:台本と違うような動きをやってみたら、雄也さんがアドリブでかぶせてくれますし。

平田:あまりアドリブで好きなことをやりすぎたら、注意されるかもしれないけれどね(笑)。

小池:言われたら、もちろん直します(笑)。役者のほうからもどんどん芝居を作っていくことが、作品の面白さにつながったらいいと思います。

――放送開始の日が近づいてきて今から待ち遠しいですが、子どもたちに向けた『ウルトラマンR/B』のお楽しみポイントを教えてください。

平田:先日、高尾山に行ったとき、幼稚園の遠足に来ていた子どもたちがいたんです。その中で、1人の男の子が女の子に向かってずっと「ウルトラマン」の魅力について熱く語っているところに遭遇しました。最初は「ああ、かわいいな」なんて思いながらなんとなく聞き耳を立てていたら、歴代ウルトラマンを話し終えた後に、『R/B』の話にまでたどりついてくれたんです。そうしたら彼が「今度のウルトラマンは兄弟なんだぜ!」って興奮気味にしゃべっていて(笑)。まずその部分に注目してくれたのがうれしかったです。

小池:弟のイサミは自分自身が成長過程にあって、まだ子どもの気持ちが残っている大人なんですね。まだ正義感も責任感も薄くて、ただ興味本位でウルトラマンになるというイサミは、テレビを観てくれるちびっ子たちと同じような感覚があると思うんです。子どもたちの憧れという部分は兄のカツミが引き受けてくれて、イサミは今後どのように成長していくのか、同じ目線で子どもたちから応援してもらえるキャラクターになっていきたいです。