ファン待望「スター・ウォーズ」最新作にしてシリーズ屈指の人気を誇る“愛すべき悪党”ハン・ソロが、誰もが知っているハン・ソロになるまでを描くアナザー・ストーリー、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』がいよいよ日本でも公開に。生涯の相棒チューバッカや愛機ミレニアム・ファルコンとの出会いと絆、そしてこれまで語られたことがなかったロマンスなど、ルークとレイアに出会う前の若き日のハン・ソロの知られざる過去が満載だ。
そのハン・ソロを演じたオールデン・エアエンライクが、映画公開前に来日! 撮影現場秘話やジョージ・ルーカスと初めて会話した際のエピソード、来年オープンする米ディズニーランドのSWエリアへの期待感など、SWファンなら読み逃し厳禁の話を聞いた。
――来日記者会では、あのジョージ・ルーカスが撮影現場に来ていたことがわかりましたが、SWファンであればテンション上がりますよね!
もちろんだよ。高ぶったねえ。彼が長年培ってきた世界に関われて、生みの親のジョージには感謝している。40年も語り続けている物語で、いまだに新鮮に残っているわけだからね。この作品が完成した後にスカイウォーカーランチ(ルーカスフィルム本社が入るスタジオがある場所)で彼と会って話をしたけれど、すごい体験だった。映画をすごく気に入ってくれて、温かい歓迎を受けたよ。
――もともとハン・ソロのファンだったそうですね?
子どもの頃、本当にハン・ソロのファンだったよ。でも大人になってからはヨーダだね(笑)。子どもの自分にはハンはとてもクールでカッコよくて、カウボーイみたいだった。彼のようになりたいと、あこがれたものだよ。歳を重ね大人になって、彼を演じた上でわかったことは、もっとも人間的な気質を持っているキャラクターだったということだったね。
――若い時代のハン・ソロが登場したことで、キャラクターが立体的になりましたよね。
もうひとつ気づいたことがあるよ。もともと彼はクールでカウボーイ的な存在だったけれど、レイアとともにいるシーンでは、どこか恐怖や不安を感じていたキャラクターだということ。ただ、今回のハンは異なる時代設定で、理想主義で夢を追っていて、ロマンを追っている異なる要素がある。それだけに、徐々に皆が知っているハン・ソロを形成していく必要があったわけだけれどね。
――中盤、ミレニアム・ファルコン号に撃ちながら後ずさりしていくシーンを観ていて、あのハン・ソロ感に近づいている気がしました。
おもしろいよね。実際にオリジナルでも似たシーンがあるからね。今回の撮影に入る前、オリジナルの作品を全部観直しているので、実際に各場面を演じている際には特に何も意識はせず、無意識に近いレベルで演じていたけれどね。
――それと驚いたことは、ファルコン号の窓に宇宙の映像を本当に映して撮影していたそうで、「まるでディズニーランドみたいだ」と会見で言われていましたが、そのほかにも何か同レベルのサプライズはありましたか?
この作品では極力CGを使わないことになっていて、撮影現場には本当に多くのクリーチャーやエイリアンがいたよ。爆発も実際に行っていて、物理的に存在していた。パインウッド・スタジオにはクリーチャー工房が本当にあって、おそらくそこでは最高の職人たちが技を競い合っていて、匠の仕事を拝めたよ(笑)。それらは発明で、あまりにもリアルで生きているのではないかと思ったほど。自分にとっては驚きと喜びでもあったね。
――ディズニーランドといえば、来年カリフォルニアとフロリダのディズニーランドに、「Star Wars: Galaxy’s Edge/スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」がオープンしますが、そこでのアトラクションのコアになるものがミレニアム・ファルコン号ですよね。まだ建設中とはいえ、すでに乗ったり体験したりしていますか?
今回の作品のプロモーションでは、さまざまな撮影をしているけれど、どの撮影で何が使われ、どこまでが何であるかなどは正直、把握してないよ。でも、ぜひ行ってみたいと思うよ。
――昨年来日したマーク・ハミルに「ルーク・スカイウォーカーとしての人生は、たまに面倒では?」と聞いたところ、「感謝しかない」と全力で否定されました。あなたもある意味ではハン・ソロとしての人生が始まるわけですが、そのことについて何か思うことは?
僕も同じ思いだね。本当に感謝しているよ。これだけ多くの人たちに愛されているシリーズで、そこに関わることができて、これだけの大勢の人たちの反響もいただける作品で、それこそ感謝しかない。僕には超大作ということだけでなく、素晴らしい機会でもあった。演じる上でも楽しいキャラクターだったよ。
オールデン・エアエンライク
1989年生まれ。アメリカ、ロサンゼルス出身。映画デビューは、フランシス・フォード・コッポラ監督の半自伝的映画『テトロ 過去を殺した男』(09)。続いて同じ監督の『Virginia/ヴァージニア』(11)に出演後、パク・チャヌク監督の『イノセント・ガーデン』(13)、ウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』(13)、コーエン兄弟の『ヘイル、シーザー!』(16)などを経て、本作『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に主演。惑星コレリアで生まれ育ち、帝国軍が治める厳しい時代のなか、今の人生から成り上がりたいと願っている、若きハン・ソロを好演している。
鴇田崇
映画&ディズニー・パークスを追うフリーライター。年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートをひたすら取材しまくる。ジョン・ラセター、アラン・メンケン、キャスリーン・ケネディ、バイロン・ハワード、ティム・バートンなど、ディズニー映画関連人物のインタビュー経験も豊富。世界のディズニー・パークスでは東京だけでなく、アナハイムも偏愛している。instagram→@takashi.tokita_tokyo