上級車種の雰囲気をまとった新しい「CX-3」

今回はモデルチェンジではないにもかかわらず、デザインの美しいCX-3のため、説明・試乗会を普段の横浜研究所ではなく、みなとみらい地区の結婚式場で開催する力の入れようだった。

一括企画という独創の開発手法によりマツダは、新たに開発して市場導入した機能や装備を、フルモデルチェンジを待たずに、できるだけ早く全ての車種へ展開することを新世代商品群から始めている。そして、各車種で改良車種の導入を行っているが、CX-3は特に改良回数が多く、さらに今回の大幅改良となった。CX-3の開発を担当する冨山道雄主査は「競争力向上のため、愚直に改良していくのみ」とする。

  • マツダ「CX-3」

    改良を重ねてきた「CX-3」。今回は安全装備も充実した

改良の主な内容だが、まずは操縦安定性と乗り心地が改善している。また、ガソリンエンジンでは燃費を向上させ、ディーゼルエンジンでは排気量を増やすことにより今後の規制対応を行った。ガソリンとディーゼルは共に、アクセル操作への応答性を高めた。

デザイン面ではフロントグリルなどを改め、室内もより上質にして、全体的な車格感を上げた。もともとのデザインの良さにさらに磨きがかかった印象で、より上級な車種の雰囲気をまとっている。こぢんまりとした車体寸法ではあるが、CX-5に比べお洒落で、それでいて存在感がある外観になったと感じた。

室内も、スウェード調のダッシュボードのパッドの見栄えや手触り、駐車ブレーキをレバー式から電気式に変更したことによる上級車種感覚など、誕生から3年を経ても古さを感じさせないところが魅力だ。

  • マツダ「CX-3」の内装

    室内も上級車種の雰囲気(画像提供:マツダ)

ガソリンエンジン追加で取捨選択が可能に

試乗ではガソリン車とディーゼル車の双方を運転できたが、少なくとも、市街地を中心に日常的に使うのであれば、ガソリン車の方が圧倒的に乗り心地と静粛性に優れ、CX-3に合った雰囲気を生み出していた。ディーゼル車も改良されているが、乗り比べればガソリン車が大きく上回る。

もちろんディーゼル車も、例えば長距離移動の多い使い方であれば、低いエンジン回転数から大きな力を発揮するディーゼルターボの特性によって、アクセルペダルをあまり深く踏み込まなくても高速巡行ができて、楽な移動が可能になる利点がある。

  • マツダ「CX-3」

    自らの使い方に合わせてパワートレインを選べる

「CX-3」ではガソリン車の登場により、利用の仕方に応じた取捨選択が可能になったといえる。ガソリン車の登場に続く今回の大幅改良もあって、CX-3の魅力は決して衰えていないことを実感することができた。