JR東日本と鉄道博物館は5日、昨年4月から順次進めてきた全館リニューアルの集大成として、7月5日に新館をオープンすると発表した。本館でも一部施設のリニューアルを行うほか、館内サインの一新、多言語対応の拡大など、館内案内を充実させている。

  • 鉄道博物館の新館は7月5日オープン(写真はすべてJR東日本提供)

  • 新館1階にはE5系(モックアップ)と400系(実物)が展示される

今回オープンする新館には、「仕事ステーション」(1・2階)、「歴史ステーション」(3階)、「未来ステーション」(2階)という3つのステーション(展示室)を新設し、鉄道の「仕事」を伝え、「歴史」を紐解き、「未来」の鉄道を創造する展示が行われる。

「仕事ステーション」は現在の鉄道をテーマとし、鉄道を支える仕事に挑戦してプロフェッショナルになりきる体験型ステーション。鉄道システムの全容を模型とマルチ映像で紹介し、新幹線の運転体験ができる「E5シミュレータ」、車掌の仕事を体験できる「車掌シミュレータ」を新設。在来線運転シミュレータに「E233シミュレータ」を追加した。日本初の営業最高速度320km/hを実現した新幹線E5系(グランクラス車両)のモックアップと、日本初の新在直通運転を可能にした山形新幹線400系の実物を展示する。

  • 「車掌シミュレータ」(新館1階)

  • 「E5シミュレータ」(新館2階)

「歴史ステーション」では、1872(明治5)年の開業以降、140余年にわたる日本の鉄道の歴史を大きく6つの時代に区分し、時代ごとに鉄道に寄せられた期待とそれに応えた技術者の熱意や技術の進化を紹介する。「未来ステーション」は未来の鉄道をテーマに、未来の鉄道に入り込み、これからの鉄道の姿をみんなで考えるステーションとなる。

新館4階では、新たに「ビューレストラン」もオープン。落ち着いた木目調のデザインを生かしたスペースで、鉄道博物館のそばを走り抜ける新幹線を大きな窓から眺めつつ食事を楽しめる。屋上に見晴らしの良い展望スペース「トレインテラス」も設置する。

本館リニューアルにおいては、50人収容可能なシアター「てっぱくシアター」を新設。専用の3Dメガネを装着し、迫力と臨場感のある映像を体感できる。携行用のフロアガイドや鉄道博物館アプリ(新規)を多言語対応とし、外国語に対応できるスタッフを配置するなど、館内の案内も充実させる。

同時に各種料金体系の見直しも行われ、新館がオープンする7月5日以降、入館料は一般1,300円(現行1,000円)、小中高生600円(現行500円)、幼児300円(現行200円)となるほか、前売り券や団体料、駐車料金も変更される。