日産自動車は26日から5月6日の期間、日産グローバル本社ギャラリー(神奈川県横浜市)にて「#死角アート BLIND SPOT ART」の展示を開催している。

  • 日産グローバル本社ギャラリーの一角に突如現れる「死角アート」

「死角アート」って何?

会場には、ワイヤーアートのような作品がクルマの周りを囲む形で展示されている。「死角アート」とは、文字通りクルマの“死角”に展示してあるアートというわけだ。実際に運転席に入ると、これらの作品は視界から消えてしまう。

  • 日産「リーフ」の周囲には3つの立体造形が

  • クルマに乗り込むと、改めて死角の広さを実感できる

「たしかに死角の広さは体感できるけど、これだけじゃネタとして弱いなーどうしよう…」などと考えていると、スタッフの方から「このスイッチを押してください」との指示が。

  • この後筆者は衝撃の光景を目の当たりにする

スイッチを押すと、日産の車両周辺確認技術「インテリジェント アラウンドビューモニター」が起動。「インテリジェント アラウンドビューモニター」とは、クルマを真上から見下ろしているかのような映像を映し出すことにより、駐車時などにドライバーを補助するという機能である。

  • AVMイメージ

この機能によって、死角に配置されたワイヤーアートを真上から見てみると…お分かりいただけただろうか。なんと、モニターに突如3匹の動物が現れるのだ。

  • モニターに真上からの映像が映し出される

  • ゾウ、ワシ、ライオンが登場

これらのアートを手掛けたのは、造形作家・武藤裕志さん。粘土や木工、竹工に絵画など、その表現手段は多岐にわたり、近年は高度な技術が必要とされるトリックワイヤーアートに力を注いでいるという。2017年には、大人気漫画『名探偵コナン』の主人公であるコナン君が、角度を変えると蘭姉ちゃんに見えるという作品を制作し、SNSでも大きな反響を呼んだ。

  • 武藤裕志 石川県出身の造形作家/ワイヤーアーティスト。緻密な構造や曲線美を得意とする表現が特徴。設計図なしで頭の中のイメージと手先の感覚を頼りに造形を行う。見る角度によって全く違う絵が見えるワイヤートリックアートを中心に、話題作を次々と発表している。

運転席から死角になる部分が存在するという事実は、クルマを運転しない人でも知っているはず。しかし、思っていたよりも広い範囲が死角になるという驚きが、アートそのものに対する驚きと相まってより強く印象に残った。

  • ドライバーの大人はもちろん、子どもに対しても死角の存在を効果的にアピールできる

「インテリジェント アラウンドビューモニター」を体験しながらトリックワイヤーアートのインパクトも味わえる、斬新な切り口の同展。開催期間は26日~5月6日の10~20時となっている。ゴールデンウィークにクルマで遠出する人も多いかもしれないが、“死角”の存在を再認識するいい機会として、ぜひ同展に訪れてみてはいかがだろうか。