仮想通貨に「リップル」という通貨があることをご存知でしょうか。世界的企業であるグーグルが出資したことで知られ、また、数多く存在する仮想通貨の中で、常に時価総額上位に位置する通貨です。つまり、世界中で多く流通している仮想通貨ということになります。

その将来性に注目が集まるリップルですが、それでは一体、どのような仮想通貨なのでしょうか。

リップルはどのような仮想通貨か

リップルは、2013年9月にカナダ人の開発者によって公開された仮想通貨です。リップルの単位は、「XRP」と表記されます。リップルの特徴として、ビットコインやその他の多くの仮想通貨のように非中央集権的な仕組みではないことが挙げられます。リップルには、「Ripple Labs, Inc(リップル・ラボ社)」という明確な運営元が存在しているのです。

また、正確にはリップルは仮想通貨というより、分散型技術を用いた金融商品の決済や送金システムのことを指しています。一般的に銀行が行う送金システムにおいては、平日の昼間しか送金することができず、また、国際送金の際には複数の金融機関を経由するため、多くの仲介手数料が必要となります。

こうした不便さを解消するため、リップルというシステムのプロジェクトが開始されました。つまり、リップルの最大の強みとして、国際送金において非常に優れているという点を挙げることができます。

国際送金に優れるリップル

仮想通貨には、それぞれの通貨において特徴があります。たとえば、ビットコインであれば基軸通貨としての役割を担う存在であること、ビットコインキャッシュであれば、手数料の安さや送金スピードの速さが売りのコインです。一方、リップルの強みは送金速度が速く、手数料がほぼ無料になる点で、送金・決済システムとして世界中の大手金融機関から注目されています。

世界の上位50行のうちすでに15行がリップルネットワークとの提携を決めていると言われており、国内でも、みずほフィナンシャルグループとSBIホールディングスが共同でリップルシステムを使用した送金実験を行っています。

では、実際にリップルを使ってどのように国際送金が行われるのでしょうか。これまで海外に送金する場合、中継する銀行を介することで大きな手数料がかかり、また、送金時間にも時間がかかっていました。

しかし、リップルを経由させることで、送金時間の短縮や手数料の削減が実現します。たとえば、ドルを円に換えてやり取りしたい時は、「ドル→リップル→円」というようにリップルを通じて他の通貨と直接取引することができるのです。また、「ビットコイン→リップル→ドル」のように仮想通貨を法定通貨に換えることもできます。

なお、リップルは、円やドルといったメジャーな通貨だけでなく、マイナーな通貨まであらゆる通貨と交換できる「ブリッジ通貨(ブリッジカレンシー)」としての機能を果たしています。

今後のリップルの展望は?

国際送金において画期的なシステムを持ち、世界中の大手金融機関から期待を寄せられているリップル。今後の動きにも注目が集まりそうですが、投資対象としてはどうなのでしょうか。2017年、リップルの価格は0.7円から始まり、3月末から値上がりが続きました。最終的には290円まで値を上げ、1年間で約414倍も高騰したことになります。

これは、国内大手金融機関がリップルとの提携を発表したことが影響していると見られますが、今後も大手企業の参入が相次ぐことが予想され、それに伴い、リップルの価格が上昇していく可能性もあります。

リップルは、世界中の大手金融機関にシステムが採用されていることから、中長期的な金融取引において重要な役割を担っていると考えられます。そのため、仮想通貨の中でも、安定した通貨として位置づけられることが予想できます。

リップルに投資を行う場合は、短期的な値上がりを狙うのではなく、ある程度長い目で値上がりを期待するスタイルが適しているのではないでしょうか。

リップルは、その性質から、仮想通貨の中でも特にポテンシャルの高い通貨として熱い視線が注がれています。また、今はまだ価格が低いため、買いやすいこともポイントです。