沖縄県内で開催中の「島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭」(19日~22日)で21日、映画『のみとり侍』(5月18日公開)の完成披露試写会が行われ、主演の阿部寛と鶴橋康夫監督が登壇した。
同作は、小松重男の短編集『蚤とり侍』の人気エピソードを鶴橋監督自ら再構築。江戸時代の江戸を舞台に、越後長岡藩のエリート侍・小林寛之進(阿部寛)が、たった一つの失言で左遷され猫の蚤とり業を行うことになるが、裏では女性に愛を届ける裏稼業に勤しむ、というストーリーだ。
上映後に登場した阿部は「ご覧になったということで、ちょっと恥ずかしいですね。濡れ場がありましたから」と照れ笑い。鶴橋監督は「どうだったですかね?」と観客に尋ね、拍手が起こると「うれしいです」と喜んだ。
阿部は30年前、事務所に入って2日後くらいに開催された食事会で、社長から「すごい監督が来ている」と鶴橋監督を紹介されたことを明かし、「大竹しのぶさんや奥田瑛二が来ていて、役者さんから信頼されて愛されて尊敬されている監督がそこにいて、『阿部も将来こういう監督の作品に出られたらいいな』と言われた」と当時を回顧。そして、「今回ガッツリやるのは初めて。若い頃のその日が忘れられないので感慨深くてすごくうれしい」と語った。
鶴橋監督も「阿部寛は僕の大学の後輩。彼の作品をずっと見ていますが、僕が一番のファン。『ドラゴン桜』(TBS)あたりからどんどん開花して、早く一緒に仕事がしたいと。今一緒に2人で立っているのが光栄で光栄でうれしくて」と阿部とのタッグに感無量の様子。「真面目な人で、愛の人。スタッフの人もキャストも、一日ごとに彼を好きになっていく」と人柄を絶賛した。
鶴橋監督はまた、「どうですかね? いい体だと思いませんか?」と阿部の体も絶賛し、「彼じゃなかったらこの作品は成立していませんから」とも。そして、「ただただ彼に感謝しています。今並んで立っているのが不思議。今まででもしかしたら一番うれしい日だな。君はどうなんだ!? 君といるのが夢みたい」と阿部への愛を爆発させた。
さらに、「この作品終わって、もう1回くらい時代劇やりたい」と阿部との再タッグを希望。阿部も「日本の誇る時代劇が京都にいくと減っているみたいで悲しい思いがある」と打ち明けた上で、「これを機にもっと時代劇が栄えてほしいと思いますし、また鶴橋さんにもお力を借りて、いろんな作品を撮っていただければと心から思っています」と前向きだった。
2009年にスタートした同映画際は、春の沖縄を代表する総合エンタテインメントの祭典。10回目となる今年は、4月19日~22日の4日間、那覇市、北中城村などで開催する。期間中は映画の上映のほか、舞台挨拶、レッドカーペット、お笑いライブ、音楽ライブ、ファッションショーなど、バラエティに富んだイベントを開催する。