後任・倉田大誠アナがどうしても気になる
――前任の番組は、ご覧になったりするんですか?
伊藤:『みんなのニュース』の後に始まった『プライムニュース イブニング』は見ましたけど、どうしても倉田(大誠)が気になりますね。僕と同じように情報番組を長い間やってから報道に来ると、作り方が結構違うので、面食らう部分もあるんじゃないかなと思うんですよ。今回、報道番組全体が『プライムニュース』という統一ブランドになって、新しいスタイルのニュース番組をやるんだっていう大義と、目の前の視聴率を取らなきゃいけないっていうところの兼ね合いもあると思います。セットやキャスティングが変わったからチャンネル合わせてもらえるほど楽ではないと思いますが、かつての仲間と後輩アナウンサーには、ぜひそれぞれ納得感のある戦いをしてほしいと思います。そういう意味で、『とくダネ!』は今までのベースがあって、そこに僕らという要素をどう混ぜるかという段階から参加するので、立ち上げに比べたら我々の方がやりやすいかなと思います。
山崎:私は『とくダネ!』の打ち合わせ中に、永尾(亜子アナ)頑張ってるなあと思いながら、『めざましテレビ』を見てます。でも、軽部(真一アナ)さんの体力が心配ですね。4月から30分早まって4時55分からの放送になって、放送25年目にして軽部さんはさらに早起きになったんですよ。この前、駅のベンチで寝ちゃったんですって。
――えーっ!?
山崎:だから、どの番組も汗かいて頑張ってるんだなと思いますね。『ノンストップ!』は反省会中に、ちょっと横目で見るくらいなんですけど、三上(真奈アナ)がシュッとして洗練した衣装着てて、格好いいなあって思いながら見てます(笑)
――やはりバラエティの経験豊富なお2人と話をしてると、明るさがあふれ出てきて、情報番組に新しい風を吹き込んでくれる印象があります。先ほど、山崎さんの"おすまし"の話がありましたが、伊藤さんもまだ抑えている部分はあるのですか?
伊藤:抑えるというよりも、まだ探っているというのが正直なところです。報道番組と比べて、1つのネタに対してしゃべる時間の長さが全然違うので、そう意味では人間を晒す感じもこれまでよりありますからね。ただ、コメンテーターの方も含めて、そこをかき回してほしいというのが、最初に演出から言われた言葉なので、小倉さんはもちろん、みんなが闊達(かったつ)に意見をぶつけ合えるステージを作る方法を、今は皆で一緒に探ってるっていう感じですね。
――小倉さんは会見で、自身の発言は「承知の上で炎上させている部分もある」とおっしゃっていましたが…。
山崎:私は、「これはネットニュースになってしまうんだろうなぁ」と思いながらしゃべってます。『ワイドナショー』は特にそうですね。
裏番組・水卜麻美アナへの意識は…
――いろいろお話を伺わせていただき、ありがとうございました。最後に、今後の意気込みをお願いします。
山崎:本番が打ち合わせだと思ったら、私ももっとしゃべりたいことがあるんです。生放送というプレッシャーの枠さえ自分の中で取っ払うことができたら、もっと自分らしさが出るんじゃないかなと。もうちょっと余裕が出てきて、もっと視聴者の方が共感してくれるようなことが言えるようになれればと思っています。
――有働さんのNHK退局のFAXを読んで、心が動かされた部分はありましたか?
山崎:いやいや、それはないですよ!
――了解しました(笑)。伊藤さんも意気込みをお願いできれば。
伊藤:ディレクターに、「小倉さんがこうしゃべって、伊藤さんがこうしゃべって、コメンテーターがこうしゃべって…」というイメージを提示されましたけど、現実のスタジオ回しは、絶対台本通りにはいかない世界で、むしろそうだからこそ有機的なんだと思います。たぶん小倉さんと僕の呼吸だったりとか、コメンテーターの人たちや山崎を含めてのスタジオの阿吽(あうん)の呼吸ができてこそのものだったりするので、もう少し時間をいただければ。ただ、立ち上がりとしてはそんなに悪くないんじゃないかなって勝手に思ってます(笑)
――伊藤さんは、会見で小倉さんに「フリーになったほうがいい」と言われていましたが…。
伊藤:あれを言われて記事になって、「フリーになります」ってなるわけないじゃないですか!(笑)
――ですね(笑)。朝の情報番組は激戦区ですが、特に意識している裏番組はありますか?
伊藤:山崎はね、(日本テレビ『スッキリ』の)水卜(麻美)ちゃんと同期らしいですよ。
山崎:そうなんですけど、本当に意識してないんですよ! 『とくダネ!』に決まったというときは、「水卜ちゃんの裏かぁ」って思いましたけどね。でも、この番組をやっていると、どうしても他の番組が見られないので、自分の役割を頑張るだけですね。