ユサブルは4月13日、山口岩男著『「うつ病」が僕のアイデンティティだった 薬物依存というドロ沼からの生還』(1,600円・税別)を刊行する。

  • 『「うつ病」が僕のアイデンティティだった 薬物依存というドロ沼からの生還』(1,600円・税別)

    『「うつ病」が僕のアイデンティティだった 薬物依存というドロ沼からの生還』(1,600円・税別)

著者の山口岩男氏は日本の代表的ウクレレ奏者。2001年に「パニック障害」と診断されたのをきっかけに、2013年までの12年間、一日も欠かさず医師から処方された抗うつ剤、精神安定剤、睡眠薬を飲み続けていたという。

悪化する「うつ症状」に処方薬を変え、日本で認可されているほぼすべて35種類の精神薬を服用。それでも一向に症状は改善せず、症状は悪くなる一方であったという。2度の離婚、自殺未遂、さらに寝たきりにまで至った山口氏は、薬の効果に疑問を持ち、断薬を決意したと語っている。

薬を断った後は、強烈な不安感、強力な「筋弛緩作用」によりよだれが垂れるなど、さまざまな精神薬の副作用を経験したとのこと。山口氏は、その断薬経験は服用時の副作用にも増して壮絶だったと語っている。この状態を専門用語では「離脱症状」というが、よく話に聞く「覚せい剤の禁断症状」に似ていたとのこと。

同書は、向精神薬に依存し続けた山口氏の12年間の体験を本にまとめたもの。山口氏が服用した精神薬とその強烈な副作用経験、断薬時の「離脱作用」を克服した方法が描かれている。心療内科に通って治療を受けているにも関わらず、症状が改善しない「うつ病患者」に参考になる内容になっているとしている。

本のタイトルは、「うつ病患者」であることにある種の「安心感」を覚えていた著者の一時期の心象風景を表したものであるという。現在、山口氏は断薬に成功し、「うつ病」から回復して精力的に音楽活動を行っている。