日産自動車は3月1日、ミニバン「セレナ」に電動パワートレイン「e-POWER」を搭載した「セレナ e-POWER」を発売した。
電動化と自動化が融合したミニバン
1991年の初代発売以来、常に時代が求めるファミリーの楽しみや喜びを追求し、「楽しい思い出をつくり続ける“家族”のミニバン」として進化を続けてきた「セレナ」。ミニバンクラスではNo.1の広々空間を持ち、高速道路 同一車線自動運転技術「プロパイロット」を搭載した現行モデルに、さらなる進化を遂げたNewモデルが仲間入りを果たした。
今回の進化の肝となる電動パワートレインの「e-POWER」は、2016年に同社の「ノート」へ初めて搭載された技術である。エンジンは発電専用となっており、その電力を利用してモーターのパワーで走行するという仕組みになっている。そのため充電装置を持っておらず、外部からの充電は不要。ここが100%電気自動車である同社の「リーフ」との最も大きな違いとなる。
同車両に搭載されるパワートレインは、「ノート」と同じ1.2リッターのガソリンエンジン(HR12DE)を搭載し、モーターは「リーフ」と同じものを採用。しかし、モーターの電流値を変更することで最高出力を80kWから100kWに、最大トルクは254Nmから320Nmにパワーアップしている。あくまでも100%モーター駆動であるため、室内の広さや使い心地はそのままに、力強くレスポンスの良い加速が可能となっているのがポイントだ。
また、同車両ではモータードライブならではの静かな走行音に加え、ボディの随所に様々な遮音対策を施すことでクラスを超えた静粛性を実現している。さらに今回は、バッテリーのみで静かに走行する「マナーモード」と、それをフル活用するためあらかじめ強制的に充電を行う「チャージモード」なる新機能が登場した。深夜に帰宅する際など、より静かに走行したいタイミングで重宝するに違いない。
そして気になる燃費はというと、こちらもミニバンクラスではNo.1となる26.2km/Lをマーク。従来の「セレナ X/ハイウェイスター」の17.2km/Lから大幅に向上している。この点でも、“家族のためのミニバン”としてさらなる活躍が期待できる1台となっている。
合言葉は“家族史上、最高でかけたくなる”
発売前日の2月28日に行われた発表披露会では、家族を大切にするパパ・ママとしてお笑いコンビ・FUJIWARAの藤本敏史さんとタレントの藤本美貴さんが登壇した。
“家族史上、最高でかけたくなる”というコンセプトを掲げる同車両に、2人は事前に試乗。「街を歩くといろんな人から『家族史上最高だね!』と言われるんですよ!」という藤本敏史さんは、その乗り心地に「動き出しがものすごいスムーズ。魔法の絨毯に乗っているような感じ!? 乗ったことないですけど!」とコメントした。
また、藤本美貴さんは車内の静かさについて驚きを示し、「3列目も大人がしっかり座れるぐらい広いんですよ。そして本当に静かですよね! 会話を楽しみながら遠出もできますし、家族には本当にオススメだと思います!」とママ目線で同車両の特長を語った。
同車両の発売を記念し、日産グローバル本社ギャラリー(神奈川県横浜市)にて3月14日までの期間、「家族史上、最高写真展」が開催される。本写真展では、一般のユーザーからSNS上で募集した家族の「おでかけ」写真を500点以上展示。出展された写真を対象としたコンテストも実施する。
なお、同社の関連会社であるオーテックジャパンからは、「セレナ e-POWER」をベースとしたカスタムカー「AUTECH」ならびに、「ステップタイプ」と福祉車両「ライフケアビークル(LV)」シリーズの「セカンドスライドアップシート」、「チェアキャブ スロープタイプ」を設定。日産の販売会社を通じて3月1日より発売する。
それぞれの価格は以下の通りとなる。
「セレナ e-POWER」 296万8,920~340万4,160円
「セレナ e-POWER AUTECH」 382万1,040円
「セレナ e-POWER ステップタイプ」 338万6,880~366万2,280円
「セレナ e-POWER セカンドスライドアップシート」 343万9,000~369万4,000円(車両の消費税は非課税)
「セレナ e-POWER チェアキャブ スロープタイプ 車いす1名サード仕様」 353万1,000~372万5,000円(車両の消費税は非課税)
既存のモデルと比較するとXグレードでは約47万円の価格差があるものの、走りの気持ちよさや静かさ、燃費などのアドバンテージは家族での利用にとって非常に大きなものとなるだろう。自動運転技術「プロパイロット」に続き、「e-POWER」搭載車種の拡大と今後の展開にも期待したい。
※価格は全て税込