依然として寒い日々が続くが、温暖な伊豆では河津桜など早春の花の季節が到来している。冬こそ温泉で身体を温めたいものだが、春を先取りしたような花の絶景を見れば、精神的にも春爛漫の気分になり、老若男女に関係なく誰でも笑顔になれるだろう。今回は伊豆の温泉地の花見イベントの中から、オススメの4スポットを紹介しよう。
河津桜×菜の花のダブル花見
河津桜の穴場としてオススメなのが南伊豆町。町の中心部にある下賀茂温泉には、「青野川千本桜」と呼ばれる河津桜の並木道があり、圧倒的な絶景を楽しめる。夜間には夜桜のライトアップも実施され、幻想的な光景になる。
南伊豆町では河津桜を「みなみの桜」の愛称で呼ぶ。「みなみの桜と菜の花まつり」も実施中で、例年の見頃は3月上旬だが、2018年は寒さで開花が遅れており、会期末以降も楽しめそうな情勢だ。
ただし、暖かい日が続くと一気に開花するので、最新の開花状況を確認していただきたいが、河津桜は一般にソメイヨシノよりも満開期間が長いと言われるので、見頃のニュースを見てから行っても間に合うだろう。
「みなみの桜と菜の花まつり」の会場は、道の駅下賀茂温泉裏手の河川敷。堤防が河津桜の並木道になっており、堤防の斜面の菜の花とのコラボが美しい。道の駅には無料の飲泉所、手湯、足湯が揃っており、足湯に浸かりながら花見も可能だ。
なお、桜まつり期間中は道の駅の駐車場も有料になるが、共通一日券なので、夜桜ライトアップを鑑賞する際も、駐車券を提示すれば2回目以降は無料で停められる。菜の花まつり会場「日野(ひんの)菜の花畑」も対象なので、何度でも停め直して存分に花見を楽しみたい。
●information
下賀茂温泉「みなみの桜と菜の花まつり」
期間: 2018年2月10日~3月10日
住所: 静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂157番地1
アクセス: 伊豆急行線伊豆急下田駅から下賀茂行きバス30分、九条橋下車徒歩3分
河津桜の本場で温泉も
河津桜の本場・河津町で開催されるのが「河津桜まつり」。近年は大人気で週末を中心に大渋滞も発生するので、特に車で行く場合には大混雑に飛び込む覚悟が必要だ。その分、非常ににぎやかなので、花見に加えてお祭り気分を味わうには最高だろう。
河津川沿いの桜並木が有名だが、穴場といえるのが銘木と呼ばれる河津桜の一本桜。町内各所に点在しており、夜には夜桜のライトアップも実施される。中でも、河津桜観光交流館前にある「かじやの桜」は必見だ。
河津町は峰温泉や谷津温泉など、名湯が多いことでも知られる。桜まつりの期間中は、徒歩圏内にある温泉旅館は全館満室が続くが、少し離れた所にある旅館なら宿泊可能な場合もある。
河津桜の並木道には無料の足湯が複数あり、足湯に浸かりながら花見ができる。また、峰温泉の日帰り入浴施設「踊り子温泉会館」も裏手が桜並木で、露天風呂や休憩室にいながらにして絶景の花見を楽しめる夢のような施設だ。
河津温泉での花見については、「河津桜の本場でお花見を! 伊豆河津温泉郷で一足先に春を満喫する旅をしよう」も併せて参照していただきたい。
●information
河津温泉「河津桜まつり」
期間: 2018年2月10日~3月10日
住所: 静岡県賀茂郡河津町笹原72-12(河津桜観光交流館)
アクセス: 伊豆急行線河津駅から徒歩3分
GWまでOK! 広大な花畑は何度でも行く価値あり
松崎温泉の「田んぼをつかった花畑」は、田植え前の農地を利用したユニークで広大な花畑。6種類の花の種を混ぜて撒いており、順番に咲いていくので花畑が美しく変化していく。中でもオススメなのが写真の3月下旬頃で、オレンジと黄色のアフリカキンセンカに、春らしい色彩を感じる事が出来る。
近年は花だけでなくカカシも展示されているので、万一開花が十分でなくても、インスタ映えを楽しめるだろう。花畑に隣接した那賀川沿いは桜並木になっており、満開時には花畑とコラボした風景が味わえる。さらに5月に入ると、田植えに備えて無料で花摘み可能。GWまで、毎週のように行きたくなる花畑だ。
松崎町中心部は温泉街で、無料の足湯が複数ある。さらに、花畑からも近い道の駅花の三聖苑には、日帰り温泉「かじかの湯」もあり、気軽に温泉入浴を楽しめる。松崎温泉「田んぼをつかった花畑」については、「日帰りではもったいない! 西伊豆松崎温泉郷に春こそ行くべき6つの理由」もぜひ参考に。
●information
松崎温泉「田んぼをつかった花畑」
期間: 2018年3月上旬~5月5日
住所: 静岡県賀茂郡松崎町那賀
アクセス: 伊豆急行線蓮台寺駅から松崎方面行きバス約35分。または、「桜田」「ユースホステル」または「建久寺」下車すぐ
120品種の椿を一輪挿しで鑑賞
最後に伊東温泉の早春の花イベント、「つばき鑑賞会」を紹介しよう。小室山公園はGWのつつじ祭りが有名だが、その手前に広大なつばき園があり、1,000品種4,000本の椿が11月初旬から4月下旬にかけて順次咲き乱れる。
毎年2月後半から3月上旬に行われる「つばき鑑賞会」では、当日の朝に咲いている見頃の椿を、約120品種一輪挿しにして椿の館と呼ばれる屋内に展示する。数多くの品種が一堂に会しており、広大なつばき園を歩き回ることなく、多数の品種を鑑賞できる貴重な機会だ。入館料も駐車場も無料なので、気軽に立ち寄ってみるといいだろう。
広大な伊東市内には多数の温泉があるが、南端にあるのが赤沢温泉。海沿いの崖の上にDHC赤沢日帰り温泉館があり、最上階の露天風呂は日本屈指海の絶景を楽しめる。通販化粧品で人気のDHCのアメニティーも完備しており、気分爽快な温泉入浴となる。
●information
伊東温泉「つばき鑑賞会」
期間: 2018年2月17日~3月11日
住所: 静岡県伊東市川奈1260-1
アクセス: JR伊東線伊東駅から小室山リフト行きバス約20分、小室山つばき園下車徒歩すぐ
温暖な伊豆で河津桜など、春先取りの花見を温泉と一緒に味わう。きっと格別な旅になることだろう。各イベント期間は重複しており場所も近いので、周遊して一気に楽しむことも可能だ。温泉入浴に加えて旬の花を鑑賞することで、気分も春めいていくに違いない。春が来るのをじっと待つのではなく、既に春に突入している観光地に自分から迎えに行っていただきたい。