3月2日よりNetflixにて配信される新作アニメ『B: The Beginning』のワールドプレミア試写会が2月21日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われた。登壇者はキース・風間・フリック役の平田広明、黒羽役の梶裕貴、星名リリィ役の瀬戸麻沙美、皆月役の石川界人、中澤一登監督。
『B: The Beginning』は群島国家「クレモナ」を舞台に、王立警察(通称「RIS」)の伝説の捜査官キース・フリックが、犯行現場に必ず「B」の文字を刻み込む連続殺人犯「Killer B」を追う様を、海外ドラマさながらの壮大なスケールで描くオリジナルアニメ。
今回のワールドプレミアでは第1話~3話の上映会のあと、トークショーが行われた。まず、中澤監督から本作を制作するに至ったきっかけとして、黒木類プロデューサーから「ダークヒーローものをやりたい」という打診に返事をしたところから始まったと説明。そして、ダークヒーローものについて考えた結果「孤独」「虚空」というワードを思いつき、「黒羽」と書いても「コクウ」と読むことから、黒羽の背中に羽を生やすことになったとのこと。キャスト陣はこれらについては完全に初耳だったらしく、驚きの声を上げていた。
そして、一人ひとりのキャラクターについて解説していく中澤監督。「黒羽はピュアなので、小難しいことを考える対象的なキャラクターを探していたところ数学者のポール・ディラックという人物にたどり着き、キースが生まれました」と明かした。また、リリィに関しては「作品の清涼剤として。だから百合感を出したくてリリィという名前」、皆月は「観る側からしたら悪役にも善玉にもなるキャラクター」と説明していく。
また、キャスト陣に関して「シナリオを読んだときの第一印象は」という質問が飛んだが、アフレコをしていたのはちょうど2017年の2月ころ。なので平田は「お察しください」と笑いを誘った。
ちなみに、『B: The Beginning』はオリジナルアニメ作品なので、キャスト陣は全員台本をもらうまで先の展開を知らなかったそう。そのため梶は「黒羽がどういった立ち位置かは監督にうっすら聞いていましたけど、台本をもらうまで、来週死んでしまうんじゃないか、というスリルもありました」と語った。 瀬戸は「オーディションのときに読んだセリフが、リリィのうっかりしている面やチーム内でのやりとりだったので、台本をもらってこんなに壮大な話だと知りました」とリリィらしい一面をのぞかせた。石川は、「次の収録の台本をもらって、こことここがつながってるんだって、前の話を確認するのが楽しかったです。終盤になって、序盤の台本を読み返すのも面白かった」と全体のストーリー構成について触れる。
その後、自分の演じているキャラクターの好きなセリフについての話になる。平田は「こ」じゃなくて「ち」に直した排泄物のセリフについて、梶はほかの作品でも言うことの多いセリフ「僕はここにいる」、瀬戸は「やばし」、石川は何度もリテイクした「見つけたぞ」と、各々キャラクターの声で読み上げていく。
ちなみに、ほかのキャラクターの好きなセリフについてはリリィについて語られることが多く、梶は「ゼッポレ、サン・ジュゼッペ」、石川は「了解のすけ」を上げる。瀬戸はプライベートでも似たようなことばを使うことが多く、「りょう貝柱」という名言を石川の前で残したこともあるとのこと。
最後に音楽についての裏話が中澤監督から語られた。「ある日、音楽を担当している池頼広さんから電話がきて、『新しい楽器を見つけたんだ』って電話の向こうから変な太鼓の音が聞こえてきて、南国の変な太鼓らしいんですけど、『いいっすね』って。それがオープニングの曲です」とサラッと暴露すると、またもやキャスト陣は驚愕の顔を見せた。
そして、平田が「海外ドラマを観ているような作品で、ストーリーや音楽など、すべてが上質なものになっています。Netflixで全話配信してしまうことに最初は驚いたんですけど、繰り返し観て答え合わせができる作品なので、一度観ただけでは終わらないかなと思います。キースのうんちもお楽しみに」と最後にオチを付け、ワールドプレミア試写会は幕を下ろした。