グローバル化に伴い、「CEO」などと共に使われることが増えてきている「CPO」という言葉。企業において重要視されているポジションですが、まだまだ聞き慣れない言葉のため意味がよくわからない人もいるでしょう。

今回は、CPOの意味や組織における役割をくわしく解説。また、CPOと略すことができるさまざまな言葉や、その他の「CxO」職についてもあわせて解説します。

  • CPOの意味

    CPOの意味や組織における役割、またその他の「CxO」職について解説する記事です

CPOとは

「CPO」は「Chief Privacy Officer」の略で、日本語に訳すと「最高個人情報責任者」という意味です。

企業が管理する消費者や顧客、また社員の個人情報などを管理するポジションで、近年設置する組織が増えてきています。

CPOの役割

インターネットが普及したことにより、2000年頃からプライバシーへの配慮や個人情報の管理が企業側に強く求められるようになってきました。

それに伴い、欧米はもちろん日本でもCPOが設置されるケースが増え、企業や組織において膨大な情報を漏洩することなく安全に管理する役割を担っています。

  • CPOの意味

    CPOは「最高個人情報責任者」という意味で、個人情報を安全に管理する役割を担うポジションです

CPOを取り巻く組織構成

組織内の個人情報保護における最高責任者であるCPO。

国内ではまだ聞き慣れないポジションのため、企業や組織における立ち位置や他の職位との関係性が気になるという人もいるでしょう。

CPOは基本的にCEO直下にある経営幹部の1人であり、CISO(最高情報セキュリティ責任者)やCFO(最高財務責任者)などと共に円陣を組む形で配置されます。

さらにCPOの部下としてCPP(個人情報管理者)やCPA(個人情報取扱従事者)が配され、個人情報保護やコンプライアンスプログラムの運用などに取り組みます。

CPOについての理解を深めるためにも、基本的な組織構成を覚えておきましょう。

  • CPOを取り巻く組織構成

    CPOは、CISOやCFOなどと共に配置される経営幹部の1人です

CPOの仕事内容

経営幹部の1人であり、企業や組織内にて個人情報保護の責任を担うCPO。

主な仕事内容は個人情報を一括して取り扱えるような情報管理システムの構築や監査体制の確立で、財務や情報管理の責任者などと協力しながら慎重に業務を進めます。

また、個人情報取り扱いに関連する社員教育やプライバシーポリシーの構築なども業務の一環の1つで、組織が個人情報を漏洩することなく適切に管理できる体制を目指します。

  • CPOの仕事内容

    CPOの主な仕事内容は、個人情報を一括して取り扱える情報管理システムの構築や監査体制の確立です

その他のCPOと略す言葉

「Chief Privacy Officer」を意味するCPOですが、実はCPOと略す言葉はこれだけではありません。

ここからは「Chief Privacy Officer」以外でCPOと略す言葉を紹介しますので、シーンに応じて使い分けができるように覚えておきましょう。

Chief Product Officer

「Chief Product Officer」は「プロダクト最高責任者」という意味で、頭文字を取ってCPOと略されます。

プロダクトの成長や価値の向上を目指したり、中期的にどうあるべきかを提案したりすることが主な仕事で、「Chief Privacy Officer」と同じく企業や組織におけるポジションの1つです。

プロダクトの開発や改革、マーケティングなどにも携わり、事業部を横断して企業戦略的にプロダクトの方向性を決める責任を担います。

Cost Per Order

「Cost Per Order」は、1件の注文を受注するのにかかった費用のことを指す言葉で、頭文字を取ってCPOと呼ばれています。

ビジネスの計画を進める際に「Cost Per Order」を意識せず取り組むと赤字になる可能性もあるため、しっかりと理解しておく必要がある重要な業績指標です。

  • その他のCPOと略す言葉

    「Chief Privacy Officer」以外でCPOと略す言葉もあわせて覚えておきましょう

CPO以外の「CxO」職

近年、企業の取り扱う業務範囲はどんどん拡大しており、分野ごとの責任の所在を明らかにする意味でも、CPOのような「CxO」職の設置はますます増える傾向にあります。

ここからはCPO以外でよく見聞きする「CxO」職の意味や概要を紹介しますので、ビジネスシーンなどで困らないように代表的なものを覚えておきましょう。

CEO

「CEO」は「Chief Executive Officer」の略で、日本語では「最高経営責任者」という意味になります。

「CxO」職の中でも聞く機会の多いポジションなので、意味を知っているという人は多いでしょう。

主な業務領域は経営全般で、経営に対する全責任を負う重要な存在です。取締役会などで選任され会長や社長が務めるケースが多く、長期的な視点で経営戦略の策定や業務執行の統括などを行うポジションとなっています。

CIO

「CIO」は「Chief Information Officer」の頭文字を取った言葉で、日本語では「最高情報責任者」と訳します。

企業の情報化や情報システムの効率化などを統括することが主な業務で、情報戦略のニーズが高まる現代において注目されているポジションです。

情報システムの構築に関する技術的なスキルだけではなく経営戦略に関する深い理解も必要とされており、CEOをはじめとする経営陣に対して適切な報告・助言を行うことも求められています。

CFO

「CFO」は「Chief Financial Officer」のことで、日本語では「最高財務責任者」という意味になります。

財務や経理を担当し適切なコストコントロールを行うことが主な業務内容で、資金調達や運用に関しての責任を負うポジションです。

資金管理は企業にとって最も重要な要素の1つであり、経理に関する知識だけではなく財務戦略をうまく経営戦略に落とし込む能力も求められます。

CSO

「CSO」は「Chief Strategy Officer」の頭文字を取った言葉で、日本語に訳すと「最高戦略責任者」となります。

CEOを支える右腕として経営戦略を立案したり、企業内の部門やグループ企業などを最適化するために調整したりすることが主な業務で、副社長が務めることが多いポジションです。CSO職を経て社長に就任するケースも少なくはありません。

  • CPO以外の「CxO」職

    CPO以外でよく見聞きする「CxO」職の意味や概要も理解しておきましょう

CPOの意味や役割、仕事内容を理解しよう

CPOは「Chief Privacy Officer」の略で、日本語に訳すと「最高個人情報責任者」という意味の役職です。

プライバシーへの配慮や個人情報の管理が求められるようになってきたことからCPOを設置する組織は増えており、膨大な情報を漏洩することなく管理する責任を担う重要なポジションとなっています。

個人情報やプライバシー保護にまつわる問題は多くの企業が注視しているものであるため、今後も着目されることは多いでしょう。

その他のCPOと略す言葉やCPO以外の「CxO」職もあわせて確認しておき、CPOへの理解を深めておきましょう。