フジテレビのバラエティ番組を制作する第二制作室が、初の試みとして公開イベント形式で「企画プレゼン大会」を開催した。編成と制作部署が意気投合し、事前に放送枠を用意した上で行われるという異例の取り組みで、ここで勝ち抜いた企画が、『リトルプレゼンター』(きょう29日9:50~11:25)を皮切りに、3本放送される。
視聴率で苦戦する同局にとって反転攻勢のきっかけとなるのか。立案した坪田譲治第二制作室長に、今後の展望も含めて狙いを聞いた――。
第二制作室のオフィス階数にかけて「13階クリエイター企画プレゼン大会」と名付けられたこのイベントは、今年9月に開催。書類審査を通った8人の制作者たちが、1人持ち時間3分で企画を口頭プレゼンした。
坪田氏は「僕はバラエティ制作育ちで、その後編成やコンプライアンスの部署を経て、7月の異動で11年ぶりに古巣に戻ってきました。そこで若い室員たちから悩みを聞くと、異口同音に『企画を出しているけど、通ったのかダメだったのか、なかなか返事が来ない』と不満を言ってたんですね。それを聞いて、いっそのこと企画がその場で決まるイベントをやればいいのではと思い、編成部に相談したところ、趣旨に賛同していただき、3つ枠を出してもらいました」と経緯を語る。
それを受け企画募集を開始したが、応募条件として1人が出せるのは渾身の1企画のみ。さらに「一言で説明できない企画はピンと来ない」(坪田氏)ため、企画書はA4用紙1枚とした。53人から応募があり、そこから絞られたファイナリスト8人がプレゼン大会に進出した。
三冠奪取のきっかけはクイズ番組?
当日は200人近くの社員・関係者が集まり、1人2票を持って投票。その結果、得票数1位の"金メダル"に、『今夜はナゾトレ』『ネタパレ』のAD・千葉悠矢氏(2016年入社)が企画した『超逆境クイズ 99人の壁』(12月31日10:00~10:55)が輝いた。
コロシアム風セットのセンターにいる1人と、それを囲む99人が早押しクイズで対決し、センターの1人が5問連続正解すると賞金100万円獲得というシンプルなルールで、「99人の誰かが連続正解を阻止したら、その人がヒーローになって、今度はその人が挑戦権を得ます。周りの人とハイタッチしたりしてすごく盛り上がり、非常に良い収録でした」と手応え。MCには、これが初挑戦という俳優・佐藤二朗を起用したが、「緊張していらっしゃったけど味のあるMCで、非常にハマってました」という。
坪田氏は「根拠は薄い持論ですが(笑)、これまでフジテレビが"視聴率三冠王"を獲るきっかけは、必ずクイズ番組なんですよ。80年代初頭には『なるほど!ザ・ワールド』が台頭して三冠奪取しました。その後、2000年代に入って三冠を再び取り返す時には『クイズ!ヘキサゴンII』がありました。だから『99人の壁』みたいな番組が成功すると良いんです」と期待をかける。
次いで"銀メダル"となったのは、『バイキング』『ENGEIグランドスラム』、そして元日の『爆笑ヒットパレード』で演出を担当する筧大輝氏(2011年入社)が企画した『グチ出しBOX!~みんないろいろ抱えてますSP~』(来年1月15日24:40~25:40)。
グチを吐き出した人を追跡していくというもので、朝まで飲んで不健康だというホストを人間ドックに連れていくといったものから、高校生が10年前に生き別れた実の父親に会いたいという願いをかなえる感動的なロケもあり、スタジオでネプチューンとブルゾンちえみが見守る。
そして、"銅メダル"は、『ホンマでっか!?TV』『アウト×デラックス』のプロデューサー・大江菊臣氏(2003年入社)が企画した『リトルプレゼンター』(12月29日9:50~11:25)で、子供たちが「オバケはいるの?」といった素朴な疑問を、自分で調査した結果をプレゼンするという内容。MCは、かつて子役が出演して人気だった『所さんのただものではない!』を担当していた所ジョージだ。