一年で最も出費の多い、年末年始。特に、12月に冬のボーナスを支給された人は、思い切ってお金を使いたくなってしまうかもしれません。楽しみなイベントの多い年末年始ですが、休み明けの生活費が不足することがないよう、気を付けたいものです。

  • 年末年始に気を付けたい出費とは?

今回は、年末年始に出費が増える5つの機会をピックアップし、お金を使い過ぎない工夫や賢い使い方について解説していきます。

福袋にセール、賢く買い物するには?

毎年、福袋の購入を楽しみにしている人は多いはず。最近は、衣類だけでなく、食品や飲料、生活雑貨、家電など様々な種類の福袋が登場しています。また、少し前までの福袋と言えば、中身がわからないことでワクワクしながら購入するものでしたが、近ごろでは、事前に中身を公表していたり、確実に買えるよう予約を受け付けていたりするものもあります。

事前に中身がわかることで、福袋にはギャンブル的な要素が少なくなり、失敗するリスクが低くなったように感じますよね。しかし、それでも福袋を買うなら注意が必要。特に、根強い人気の衣類の福袋は、事前に中身がわかっていても、失敗する可能性があります。たとえば、手持ちの服に合わせられない、サイズが微妙に違う、素材が良くないなど、実物を直接確認して購入できないデメリットは依然として大きいと言えます。衣類の福袋を買うなら、普段から利用しているショップのものを選び、それでも着られない洋服に当たってしまうことも考慮しておきましょう。

また、年末年始のセールも同様です。安く購入できる「お得感」から、衝動買いをしてしまう危険が大いにあります。筆者自身も経験があるのですが、セールで「安いから」と購入した数枚の洋服より、定価で買ったお気に入りの一枚のほうが出番は多く、結果的に良い買い物だったということはないでしょうか。セール品を買うなら、本当に欲しいものであるか自問し、あらかじめ計画を立てておくことが大切です。

忘年会、新年会で無駄使いをしない

忘年会、お正月が明ければ新年会と、外で飲食をする機会の多い年末年始。二次会、三次会と会が進むにつれて、当然、飲食費はかさんでいきますし、夜遅くまで飲んでいて終電に乗り遅れた……ともなれば、タクシー代を払うこともあるかもしれかせん。

大勢で飲食するのは楽しいものですが、あまりに出費が多くなるのは考えもの。ましてや、気乗りしない会であれば、ただの無駄使いになってしまいます。二次会、三次会は断って一次会で切り上げる、必要ないと感じる会であれば、参加しない決断も大切です。その分、自炊の機会を意識的に作り、栄養バランスの取れた食事で体調面からも気を付けてみましょう。

ボーナスは「消費」だけに偏らないように

出費が増える年末年始ですが、ボーナスが支給されると、「少しくらい大丈夫! 」と気持ちが大きくなり、いつの間にかお金を使い過ぎてしまうことがあります。ボーナスの使い道を決めないでいると、年末年始に飲食や買い物、レジャーで使い、残りの分は、その後の生活費の補てんで消えている……なんてことになりかねません。

ボーナスは、「消費」「貯金」「投資」の3つの使い道に分け、消費だけに偏らないようにしましょう。配分は、消費に半分、残り半分を貯金と投資分と大まかに考えて構いません。ただし、いざという時の貯金が足りていない人は、まず貯金を優先させてください。すぐに欲しいものがない場合は、レジャー費として取っておくのも良いでしょう。

レジャー費には予算を設けよう

旅行やレジャーの費用がかさむ年末年始。やみくもにお金を使っていると、あっという間にお財布がすっからかんに。出かける機会が多いこの時期ですが、レジャー費にはあらかじめ予算を設け、その範囲で楽しみましょう。

また、初詣や初売り、セールに出かける際、鉄道を利用するなら「一日乗車券」の利用がおすすめです。一日乗車券とは、指定された区間内なら、一日何度でも乗り降り自由な切符のこと。他にも、各鉄道会社では、お得な乗車券を販売していますので、あらかじめ調べてみると良いでしょう。

さらに、観光施設や商業施設の近くでは、無料バスが運行していることもあります。こちらも併せてチェックしてみてください。

ネットの買い物に要注意!

年末年始はどこへ行っても人手が多く、また、寒さが厳しい時期です。家でゆっくり体を休めたり、読みたかった本に目を通したりするのも、有意義な過ごし方でしょう。しかし、家にいるからこそ、出費が増える可能性も。最近は、ネットで何でも買い物ができるため、その手軽さからついつい買い過ぎてしまうことがあるからです。

デパートや店舗と同じく、年末年始にはネット通販もセールを行っていることがあります。パソコンやスマートフォンから簡単に操作できることも手伝い、あれもこれも……と衝動買いにつながらないよう注意しましょう。

また、家に居ながらにして美味しいものが届く「お取り寄せグルメ」も魅力的ですよね。家族や親戚、友人の集まるこの時期には便利なサービスですが、こちらも注文し過ぎには気を付けましょう。

年末年始は、出費の誘惑がたくさん。楽しく過ごしつつ、休み明けの生活のことも考え、計画的にお金を使いたいですね。

■ 筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント

会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。