大みそか深夜から元日早朝にかけて、関東エリアの各鉄道事業者が終夜運転を実施する。初詣や年越しイベントに参加する人々の交通の便のため、この日だけは深夜にも列車が運行される。ただし、終夜運転の列車は通常より本数が少ないので、事前に各事業者のサイトなどで調べておく必要があるだろう。

  • 2017年12月31日深夜から2018年1月1日早朝にかけて、各鉄道事業者が終夜運転を実施する

JR東日本の終夜運転は普通列車中心

JR東日本では、北は宇都宮駅・高崎駅、東は成田駅、西は高尾駅・御嶽駅、南は逗子駅から都心に向けて終夜運転が行われている。都心部の山手線は約10~12分間隔、中央・総武線各駅停車は約20~50分間隔、中央線東京~高尾間は約20分~40分間隔(各駅停車のみ)、京浜東北線・根岸線は大宮~桜木町間で約30分間隔と、比較的本数が多い。沿線に東京ディズニーリゾートなどがある京葉線は東京~海浜幕張間で約15~30分間隔。一方、青梅線は立川~御嶽間でおよそ50分間隔とされている。

湘南新宿ラインは約60分間隔、横須賀線は品川~逗子間にて約60分間隔で終夜運転を行い、西大井駅から横浜・逗子方面は湘南新宿ラインと横須賀線の列車による約30分間隔の運転となる。成田山に向かう総武本線千葉~成田間も約60分間隔で運転。なお、常磐線各駅停車や成田線、高崎線のように本数が少ない路線もあるので注意しておきたい。

地下鉄は終夜運転に力を入れる

浅草寺のある浅草駅を発着する東京メトロ銀座線では、浅草~上野間が約7分間隔、その他の区間が約15分間隔。他の東京メトロ各路線は約30分間隔で運行され、千代田線の一部列車は常磐線(各駅停車)と、副都心線は東急東横線・みなとみらい線と、半蔵門線は東急田園都市線とそれぞれ直通運転を行う。東急田園都市線は終夜運転を行わないため、終電繰下げ・初電繰上げの時間帯での直通運転となる。南北線は埼玉高速鉄道と直通運転を行う。

千代田線では、北千住駅を4時14分に発車し、大手町駅・霞ケ関駅・表参道駅に停車して小田急線へ直通し、片瀬江ノ島駅へ向かう臨時特急ロマンスカー「メトロニューイヤー号」が運行される。江ノ島での初日の出を見たいという人にぴったりの列車だろう。

都営地下鉄の終夜運転は、都営浅草線が約30分間隔で京成線と直通運転を行う。都営新宿線は30~40分間隔で運行し、京王線との直通運転も行い高尾山口方面へ利便性向上を図る。都営三田線は30~60分間隔、都営大江戸線は30分~40分間隔だ。日暮里・舎人ライナーは終電時刻を繰り下げる。横浜市営地下鉄では約60分間隔の運行を行う。

沿線に寺社の多い私鉄は終夜運転が盛ん

京王電鉄の沿線には、深大寺・大國魂神社・高幡不動尊・高尾山薬王院と多くの寺社がある。京王線では新宿駅から急行が約40分ごとに運行され、新宿駅3時0分発の特急「迎光号」も運行。同駅3時20分発の急行も「迎光号」として運行される。高尾山から初日の出を見ようという趣旨の列車だ。調布駅・つつじヶ丘駅では、深大寺への初詣臨時バスを3時ころまで運行する。

  • 京王線の終夜運転では、初詣に便利な「迎光号」も運行

京成電鉄の沿線には柴又帝釈天や成田山新勝寺があり、終夜運転は京成上野~京成成田間約20~50分間隔、京成高砂~京成金町間約20~40分間隔で運行される。押上~京成高砂間では都営浅草線からの列車も乗り入れ、約20分~30分間隔で終夜運転を行う。

始発駅が泉岳寺駅であり、大師線の沿線に川崎大師がある京急電鉄では、本線泉岳寺~横浜間にて約30分間隔で終夜運転を実施し、大師線も京急川崎~小島新田間で約7~10分間隔で終夜運転を行う。それ以外の区間も一部を除き、最終列車繰下げ・始発列車繰上げで対応する。また、初日の出を見るための「初日号」が浅草橋駅(都営浅草線)から三崎口駅へ1本、品川駅から三崎口駅へ1本運行される。

東武鉄道は東武スカイツリーライン浅草~竹ノ塚間にて約35~60分間隔、西新井大師へ向かう大師線にて約10~45分間隔で終夜運転を行う。その他の一部区間も終列車繰下げ・始発繰上げで対応する。東武東上線では元日早朝、森林公園駅から東京メトロ副都心線・東急東横線・みなとみらい線経由で元町・中華街駅へ向かう「みなと横浜 初日の出号」が運行される。

  • 小田急線では初詣や初日の出に便利な臨時特急ロマンスカーも運行

小田急電鉄の終夜運転は臨時特急ロマンスカーの運行にも力が入る。「ニューイヤーエクスプレス号」を15~30分おきに運行し、多くは片瀬江ノ島駅へ、一部列車は小田原駅へ向かう。小田原線の各駅停車は新宿~相模大野間約15分間隔、相模大野~伊勢原間約30分間隔、伊勢原~小田原間約60分間隔で運行。江ノ島線相模大野~片瀬江ノ島間の終夜運転は約30分間隔で、3時以降は約15分間隔に。多摩線の終夜運転は約30分間隔となる。

その一方で、東急電鉄は東横線を除き終夜運転は行わず、田園都市線は終電繰下げ・初電繰上げで対応する。その他の路線では通常の土休日ダイヤで対応する。西武鉄道も終電車の延長運転や増発という対応となっている。

その他の鉄道事業者を見ると、みなとみらい線や相鉄線、江ノ電、伊豆箱根鉄道大雄山線、横浜シーサイドライン、埼玉新都市交通(ニューシャトル)、りんかい線、ゆりかもめ、多摩都市モノレール、舞浜リゾートラインで終夜運転が行われるようだ。

新しい年を迎えるにあたり、深夜から寺社を参拝したり、初日の出を見るため出かけるという人も多いかもしれない。終夜運転が行われるとはいえ、普段ほどの本数ではない。乗車の際には時間に気をつけていただきたい。また、寒い時間帯の外出なので、寒さ対策などは念入りにしていただきたい。

それでは、よいお年を。