フィジーの国営航空会社であるフィジー・エアウェイズは12月6日、日本とフィジーを結ぶ直行便として、成田=ナンディ線を2018年7月3日に就航すると発表した。エア・パシフィック航空時代の2009年3月に撤退を経ての再就航であり、エアバスA330-200/300を週3便運航することで、年間8万席のキャパシティを提供する。
往復5万6,200円の記念価格も
同路線は、日本とフィジーを約9時間で結ぶ唯一の直行便で、火・金・日曜日発の週3便を運航。FJ350は21:25成田発/翌9:05ナンディ着、FJ351は13:25ナンディ発/19:30成田着の予定で、運用する機材はA330-200(ビジネス24席・エコノミー249席)またはA330-300(ビジネス24席・エコノミー289席)となる。また、就航記念特別運賃として、成田=ナンディ往復運賃が5万6,200円(諸税、燃油サーチャージ込)からとなる限定販売も予定している。
1951年に設立されたフィジー・エアウェイズ・グループは、フィジーの国営航空会社であるフィジー・エアウェイズ、その子会社であるフィジーの国内線を運航すフィジー・リンク、そして、リージョナルキャリアーであるPacific Call Comm Ltdを傘下に持つ。
ナンディ国際空港とナウソリ国際空港をハブ空港に、フィジー・エアウェイズとフィジー・リンクは、15カ国69地点(コードシェア便を含む)にサービスを提供しており、渡航先にはフィジー、オーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダ、英国、香港、シンガポール、インド、キリスィマスィ島、キリバス、サモア、ソロモン諸島、トンガ、ツバル、バヌアツ等が含まれている。今回の成田線就航も含め、今後もアジア域内のネットワーク拡張を目指す。
前身のエア・パシフィック航空が2009年3月に撤退した理由として、同社のチーフ・コマーシャル・オフィサーのマーク・カバリエ氏は、リーマンショックをきっかけとした世界金融危機の影響を理由にあげた。その後の経済の盛り上がりとともに、2017年12月現在およそ1,340万人の日本人が海外旅行をしている現状を踏まえ、今回の再就航が検討されたという。
太平洋に浮かぶ333もの島々からなるフィジーは、美しい海や星空、手付かずの自然、家族のように迎えられる他に類を見ないほどの温かいホスピタリティー精神など、単なるビーチリゾートには収まらない魅力を内包している。特にフィジーは、「世界幸福度ランキング2017」(米国の世論調査会社ギャラップ・インターナショナルとWINによる共同調査)で1位に選ばれるほどであり、地元の人々のずば抜けた幸せに触れることも、フィジーを目指すひとつの理由になるだろう。
そのため日本市場においても、メインターゲットに新婚旅行や家族旅行、また、団塊の世代の旅行など、幅広い層を想定している。加えて、フィジー国内には日本人も多く通う語学学校があり、英語留学を目的とした学生・社会人も多いという。
温かいおもてなしは飛行機から始まる
現在、フィジー・エアウェイズのCAは全員フィジーの人々だが、日本路線就航に向け、日本語を話せるCA、もしくは日本人CAの補充を行う。また、エンターテイメントコンテンツにおいても、日本語対抗コンテンツを拡充していく。
ビジネスクラスには、172度まで自由に角度調整可能なアングルライフラットシートを使用。シートは最長で76インチになり、プライバシー保護のためのデバイダーを装備する。直接通路にアクセス可能な通路側18席と窓側8席を展開し、それぞれの座席に個人用電源とコネクターを完備する。パナソニック製の15.4インチのモニターでは、映画やテレビ番組、ドキュメンタリー、音楽といった数百時間に上る機内エンターテイメントが楽しめる。
機内食はセレブリティシェフであるロバート・オリバー氏が創作するほか、自由な組み合わせが可能なアラカルトメニューもとりそろえる。また、フィジーのローカルビールをはじめ、受賞記録のあるワイン、蒸留酒、リキュール等も取りそろえる。手荷物は40kgまで預けることができる。
エコノミークラスには、7.5インチのリクライニングが可能な人間工学に基づいて設計された座席を使用。9インチのモニターとエンターテイメントオプション、電子機器の接続口も備え、暖かい機内食と、ビールや蒸留酒、ワイン等のドリンクも用意する。手荷物は23kgまで対応する。
おのののかも魅せられた笑顔
今回の就航発表のゲストに、タレントのおのののかさんが登場。高校生時代に英語留学でフィジーの訪れ、高校卒業時に再度フィジーを訪れたというほどのフィジー好きとのこと。初めてひとりで訪れた海外で最初は緊張していたようだが、空港に降り立った瞬間から笑顔に満ちあふれている国であることを実感したという。
「道の側で売っている果物をおやつ代わりに食べていて、マンゴーやパイナップルがびっくりするほどおいしかった。日々の生活も楽しかったけど、週末に友人と島に遊びに行ったことが記憶に残っています。船もすごく安いんですよね。びっくりするほど海がきれいなんですよ。みんなで寝っ転がって星を見ていると、びゅんびゅんとそこらじゅうに流れ星があって。それ以上の美しい星空を私は見たことがないと思います」(おのののかさん)。
また、フィジーには自然と恋が芽生えてしまう「フィジーマジック」というものがあるという。実際、おのののかさんの留学生仲間にも、フィジーを縁にして結婚したという人もいると話してくれた。フィジー・エアウェイズのマーク・カバリエ氏も、「すでにハネムーンを終えた人も、セカンドハネムーンにフィジーへ」と提案。
今回の就航で、「夜に飛行に乗り、目覚めれば異国旅行」という気軽な旅行先に、フィジーが加わることになる。就航時は週3での運航を予定しているが、その後の状況を見て、増便への検討も構想している。