一人暮らしだと、隣に住んでいるのがどんな人なのか知らないことも多いでのではないでしょうか。だからといって、全くお付き合いがないのも、いざというときに困るのでは……と思う人もいるかもしれません。一人暮らしのご近所づきあい、そのコツやトラブルが起こったときの対処法をまとめました。

一人暮らしの近所付き合いはしたほうがよいのか

「ご近所づきあいなんて面倒くさい」。多くの一人暮らしの方の本音はこうなのではないかと思います。たまたま同じマンションや隣の部屋に住んだだけ。それなのに、親しくしなければならないなんて面倒だと思うのは当然のことです。そもそも一人暮らしだと、隣に住む人と生活パターンが異なれば、何年も住んでいるのに顔を合わせたことがないということも、ありえない話ではありません。

だからといって、全く気遣いのない生活をしてしまうのは問題です。人は全く知らない相手に対しては無関心だったり、悪意で捉えてしまったりしがち。例えば、夜遅くに隣の部屋から物音が聞こえたとき、相手を知っていると「遅くまで仕事だったのかな」くらいに思えても、見知らぬ相手だと、「こんな時間にうるさいな」とカチンときてしまうこともあります。

あえて積極的にご近所づきあいをしようとしなくて構いません。でも、もし顔を合わせることがあれば、「おはようございます」「こんにちは」など、最低限のあいさつをしましょう。声を出すのは抵抗があるなら、せめて軽く頭を下げるだけでも、無視しているわけではないことは伝わります。ご近所同士が顔見知りであることが、防犯や防災にもつながります。

万が一ご近所トラブルが起こってしまったら?

一人暮らしのご近所トラブルでよくあるのが騒音やゴミ捨てルールの違反です。まず、騒音。一人暮らし向けの賃貸住宅では音が響きやすい建物も多くあります。足音やドアの開け閉め、シャワーの音など、夜遅い時間などには自分が気をつけることも必要ですが、周囲の生活音が漏れてしまうことに対して、あまりピリピリしないことも大切です。

ただし、大人数での大騒ぎや楽器の演奏など、夜中の明らかな騒音は耐えがたいもの。直接自分が注意するのはより大きなトラブルにつながりかねないので、管理会社や大家さんに相談をしましょう。緊急であれば、警察に連絡をするのもひとつの手です。

また、ゴミ捨てのルールも、一人暮らしだと「自分一人くらい大丈夫だろう」「一度だけだし」などいいかげんになりがち。自治体や物件のルールを把握し、時間や分別、捨て方などを守りましょう。

ルールを守っていないゴミ袋は開けられて、誰が捨てたのか調べられることもあります。自分が捨てたゴミを他人に見られるのは、恥ずかしいもの。ゴミの捨て方は自治体のホームページに掲載されていることが多いです。中にはゴミの分別法がすぐにわかるスマホアプリのある地域も。ぜひ調べてみましょう。

暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー:河野真希
ウェブや雑誌など各種メディアで、料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを目指すライフスタイルを提案。著書に『ひとり暮らしの季節ごよみ』(祥伝社)、監修本に『家事のお手本-大人のたしなみ賢いくらし』(泉書房)『頑張らなくても素敵に暮らせる「夜だけ家事」で快適シンプル生活』(双葉社)などがある。
河野真希オフィシャルサイト(http://www.kawano-maki.net/)