2016年6月にアーティストとしてメジャーデビューした渡部優衣。これまで1枚のアルバム、2枚のシングルを発売し、ライブも精力的に行ってきた彼女が2017年11月1日、待望の2ndアルバム「vivid station」をリリースした。

渡部優衣(わたなべゆい)。1988年12月4日生まれ。大阪府出身。ダンデライオン所属。主な出演は『アイドルマスター ミリオンライブ!』横山奈緒役、『プリパラ』白玉みかん役、『てーきゅう』押本ユリ役、『リルリルフェアリル』ゆらら役、『わしも-WASiMO-』りん子役など
撮影:Wataru Nishida(WATAROCK)

マイナビニュースでは2ndアルバム発売を控えた渡部にインタビューを敢行。2ndアルバムの制作秘話や聞きどころに加えて、ここまでのアーティスト活動について話を聞いた。

ファンとの絆

――2ndアルバム『vivid station』の発売、おめでとうございます! 今回はアルバムのことに加えて、これまでのアーティスト活動についてお話をおうかがいできればと思います。

よろしくお願いします。

――まずはこれまでの活動について。アーティストデビューをしてから1年が経ちました。1stアルバムやシングル2枚の発売もありましたが、大きなイベントとしては、バースデーライブ「FUN FAN BIRTHDAY 2016」が挙げられるかなと思います。

バースデーイベントは何度か開催していたのですが、誕生日近辺に「ライブ」をやったのは初めてでした。「FUN FAN BIRTHDAY 2016」は、1st LIVE 「FUN FAN STORY」から半年ほどで迎えたライブだったのですが、その間にはシングル1枚分しか新しい曲は出していなくて……。半年の間でどのくらい成長した私を魅せられるのかと少し悩んでいた部分もあったライブでした。ただ、自分の誕生日近辺にたくさんの方々がお祝いに来てくださって、しかも一緒に騒いで楽しんでいただけるというのがすごく嬉しくて! 本番はとても楽しく過ごせました。

――バースデーライブ以降もアニ×ワラ、ファンミーティング、仙台アニメフェス「超!アニメディア劇場 LIVE in SENDAI 2017」など、アーティスト名義として色々なイベントに参加されてきましたね。

私を初めて見る方が多いイベントにもいくつか出演させていただき、その場、その場で様々な楽曲を披露してきました。なので、色々な方に興味を持ってもらえるきっかけづくりの場もたくさんいただけた一年だったかなと感じています。そういう意味では充実したアーティスト活動でした。

――渡部さんが歌った曲に対して「こういう曲も歌うんだ! いいね」とSNSなどを通じておっしゃっている方のコメントもいくつか見たことがあります。

本当に嬉しい限りです。

――イベントで記憶に新しいところだと、先日、握手会も開催されていましたね。そちらはいかがでしたか?

1時間半くらいのイベントでしたがあっという間に時間が過ぎました。みんな手の温度が違って十人十色だったなぁ。でも、みんな違うぬくもりだったからこそ、繋がっているなと感じられました。色々な方と直接顔を見てお話ができ、とても貴重な機会をいただけたと思っています。

――以前から感じていますが、渡部さんは本当にファンの方々との繋がりを大切にしていらっしゃいますね。先日、Twitterでおっしゃっていた「ファンへの想い」に関するコメントでも、ファンの方々との繋がりに対する気持ちが伝わってきました。

す、すいません! あの時は色々と荒ぶってしまって……。めっちゃ呟いてしまいました……。

――ファンの方々と真摯に向き合うのが非常に渡部さんらしいと感じました。

……私たちは、応援してくださる方、私を支えてくださっているスタッフさんがいないと成り立たないお仕事をしています。しかもそういう方々は限りある時間のなかで私の曲を聴いたり、手紙を書いてくださったり、イベントに来てくださったり、サポートしてくださったり……。貴重な時間を割いてくださっているんですよね。だから、私は少しでも皆さんに何かお返しがしたいんです。

――先日の『THE IDOLM@STER 765 MILLIONSTARS HOTCHPOTCH FESTIV@L!! 765ミリオンハッチポッチフェスティバル』でもそうでしたが、渡部さんは常にファンサービスがすごいです。先ほどのお話も踏まえて、渡部さんはある種、プロ意識がとても高い方なのだと感じました。

そういう風に言っていただけるのは嬉しいですが、少し照れますね(笑)。でも、ファンの方々への「お返し」はまだまだ足りない。これからも常に感謝の気持ちを持って活動していきたいなと思っています。

アルバムの楽曲もファンの方々を意識

――これまでの活動の振り返り、そしてファンの方々への想いをお話しいただきありがとうございました。そんな渡部さんの想いは、今回のアルバムのコンセプトにもつながっていそうですね。

そうですね!

――改めて、渡部さんの口からアルバムのコンセプトについて教えていただいてもよろしいでしょうか?

今回のアルバムは鮮やかでカラフルに彩られた曲たちを、 ファンの方々が待つ駅に私が迎えに行き、一緒に楽しみたいという思いを込めたものになっています。アルバム1枚、シングル2枚と発売し、その次のステップを踏み出していけるようなアルバムになればいいなと思いながらレコーディングしました。

――鮮やかでカラフルに彩られたというコンセプト通り、様々な楽曲が収録されています。ここからはアルバムに収録されている11曲のうち、新録の9曲を中心におうかがいできればと思います。まずはリード曲「アスナロ」について。

「アスナロ」は1stアルバムでも魅せてきたクールな渡部優衣の延長線上として位置付けられた曲ですね。1stシングル「夢のキセキ」や2ndシングル「スペアミント」を経たことで新しい魅力が出ればいいなという想いを込めて歌っています! 作詞・作曲は今回のアルバムのレコーディング時にディレクションもしてくだった谷口尚久さんに担当していただきました。

――「アスナロ」は既に披露されたこともありますよね。その時の反応はいかがでしたか?

カッコイイ、すごく素敵な曲だと言っていただけました。自分で言うのはどうかと思いますが好評でした(笑)。なので、早く多くの方に聞いていただきたいですね。

――かなりの手ごたえを感じていらっしゃいますね! Blu-ray初回限定盤には本曲のMVも収録されています。

何と言いますか……MVに関しては場数を踏むのが大事だなと強く思いました。私、最初にMVを撮った1stアルバムの時は、棒立ちで固まってしまいまして(笑)。その頃よりは確実に成長しています。「アスナロ」の世界観を表現したカッコよいMVになっていますので、ぜひご覧ください!

「アスナロ」MV


――初回限定盤には「夢のキセキ」と「スペアミント」のMVも収録されていますので、どのように成長しているのか、見るのが楽しみです!

「夢のキセキ」MV


「スペアミント」MV


――続いてアルバム2曲目の「湾岸ヴィーナス」についておうかがいします。こちらはとても夏らしい曲ですね。

そうです! この曲を最初に聴いた時は、可愛くてポップな感じで歌うのかなと思っていました。その気持ちのままレコーディングも始めたのですが、谷口さんからは「もうちょっと大人な雰囲気でアプローチしてみると面白いんじゃないか」というディレクションを受けまして……。自分の持っていたイメージとディレクションでのイメージをすり合わせるのに苦戦したなという印象が残っています。

――そうだったんですね。

ただ、波に乗るとレコーディングは順調に進みましたね。この曲も私の番組で一度流したことがあるのですが、聞いていただいた皆さんも最初は「可愛い系でくるんだろうな」と思っていたみたいで。後から「ガラッと印象が変わった」などのコメントをいただきました。本当にその通りで、ギャップも面白い曲に仕上がっていると思います!

――確かに歌詞だけ見ると可愛い系の曲なのかなと思いました。

そうなんですよ。可愛いだけではなくて、意外としっかり歌っています。この曲はぜひ湘南などの海をドライブするときに聴いていただきたい一曲ですね。

――疾走感がある曲なので確かにドライブにはピッタリだと思います! 続く「DAYBREAK」は「アスナロ」と同じく谷口さんが作詞・作曲を手掛けられている曲ですね。

この曲のイメージは「RPGの世界の主人公」で、歌詞もストーリー性のあるものになっているんですよ。また、歌詞だけ見るとAメロのところは暗い曲なのかなという印象ですが、最終的には明るいメッセージが込められているという、とてもメッセージ性の強い楽曲です。一歩を踏み出せる、背中を押してもらえるような曲に仕上がっていて、お気に入りの一曲ですね!