――やっぱり、モデルは厳しい世界なんですね。最初は知らないことも多いと思いますが、専属モデルも4年目を迎えて、今は周りも見えてきたと思います。いつ頃からやりがいを感じ始めましたか。

3年目ぐらいかな。雑誌で後輩が増えてきて、年齢的に私が真ん中ぐらいなんです。責任というか、負けられないというか。ちゃんと引っ張っていけるのかなという不安も出てきて、もっとがんばらないという気持ちにもなりました。それまでは常に上を見て、「ついていかないと!」「追いつかないと!」と思ってやっていたんですけど、今は後輩含めて両方からのプレッシャー。でも負けず嫌いな気持ちもあるので、常に何をしたらいいんだろうと悩んでいます。専属モデルになって、1つのことを深く考えるようになりました。

家族愛と繋がる働くモチベーション

――「自分の第一印象ってどんなんなんだろう」とツイートされてましたね。どのようなお気持ちだったんですか?

こうしてモデルになって、今まで言われたことをしてきました。たとえばマラソンもそうです。言われたことを頑張っていると、ふとある時に「自分ってどんな人なんだろう」と思うことが最近増えてきて。自分がどんな人か分からないというか、人から見てどう見えているのか気になってきて。ふいに聞いてみたくなって。自分の中での「みんなが思っている自分」と、「みんなが思っている自分」が違ったらどうしようと思って、つぶやいてみました。

――温かいコメントが届いていましたね。

ありがたいです。よくお仕事でお会いする人たちにも同じことを言われているなと思って、ちょっと安心しました。このままでいいんだと思って。

――そうやってツイッターで直接つながれるのは良いことですね。

良い面も悪い面もすぐ返ってくるので、うまく使っていきたいです。さいたまクリテリウムもSNSでいろいろな人に広めていきたいと思います。

――インスタからはご家族の仲の良さが伝わります。お兄さんはカメラマンを目指しているそうですね。

そうなんです。3つ上の兄と一緒に仕事をすることが夢なんですが、私には「25歳までスタイルブックを出したい」という夢もあって。そのスタイルブックは福岡で撮りたいんですけど、兄に撮ってもらいたい。

最近はよく電話をします。どちらかが落ち込んでいたら、お互い励まし合う。「こっちもがんばってるから絵里花もがんばって」と言ってくれるし、私もお兄ちゃんが落ち込んでいる時は「絶対にお兄ちゃんと撮影したい。絵里花もがんばってるよ」みたいに。兄は一度東京にいたんですが今は京都にいて、今後また上京する予定です。

――モデルとカメラマンへの挑戦。一歩踏み出したのはどちらが先なんですか?

14歳からモデルをしているので、一応は私の方が先になります。兄はスタジオのアシスタントをしながら、プライベートで撮ったりしています。

――10月14日のインスタにお兄さんが撮った写真を投稿されていましたね。すごくステキな写真だと思います。

ありがとうございます。もともと兄は風景を撮るのが好きで。私が「スタイルブックを撮ってほしい」という夢の話をした時、人物撮影についても勉強すると言ってくれて。たくさん撮ってるみたいなんです。そんな兄の変化を知ると、私もがんばらないと。何事も諦めちゃいけないなと思います。

――北九州開催のガールズコレクションに出演された際は地元にも帰ったそうですね。インスタにはご家族への思いが度々つづられています。

すごく元気になります。おばあちゃんは、パワースポットみたいな人なんですよ。悩んで帰ることもあるんですが、「どうにかなるよ」と言って励ましてくれる。常に笑顔で、周りにもすごく好かれているんですよ。ケガして入院してた時もあるんですけど、近所の人がお菓子を持って御見舞にきてくれたりとか。私もそういうおばあちゃんになりたいですし、理想の女性像です。会うとそういうことも思い出させてくれます。

――松元さんにとって貴重な支えなんですね。

悩んだりすると結構帰っちゃいます(笑)。おばあちゃんに会うと前向きになれるから。家族とよく電話もするんですよ。おばあちゃんに電話して、次がお母さんでその次がお兄ちゃん。同時に電話できたらいいのにと思います(笑)。

おばあちゃんはいつも私のことを応援してくれて、雑誌も全部買ってくれています。私が出ているページに全部付箋が貼ってあるんですよ。それを近所に貸し出してくれてるみたいで。『めざましテレビ』に出る時も、近所に「明日出るから観てね」と電話してくれているそうです。

――広報部長ですね。

本当ですね(笑)。

――働くモチベーションにもなりますね。

自分のために何かをするというよりも、「誰かのために」ということでしか頑張れなくて。家族を旅行につれていってあげたいとか、それこそ兄を雑誌の撮影につなげたいとか。そのためなら、がんばれる。おばあちゃんは北九州のTGCを毎年楽しみにしていて。入院していた時は必ず退院すると言ってくれたり。東京には呼べませんが、北九州なら来られると言ってくれて。すごく元気になっているのを見ると、「そのためにがんばろう」と強く思えます。それがいちばんのモチベーションですね。

――今日は9社のメディアキャラバン。もう21時なので、そろそろ終わりにしたいと思います。一日たっぷり働きましたね。お疲れ様でした。

さいたまクリテリウムは、ツール・ド・フランスに行けなくても楽しめる場所です。ふらっと立ち寄るだけでも活気というか、祭りみたいな雰囲気を楽しめると思います。サイクルフェスタだけじゃなくて、「さいたまるしぇ」(ご当地グルメが楽しめる市場)だったり、自転車目的じゃなくてもいろいろな楽しみ方があります。

コクーンシティでお買い物もできますよ! ご飯食べるついででも。例えば、自転車で走っている選手を小さなお子さんが見て、そこからロードレーサーに興味を持ってツール・ド・フランスに出場する可能性だってあります。そういうきっかけ作りにもなる場所です。本当に一人でも多くの方に来てほしいですね。

――広報部長らしい締めのコメント、ありがとうございます。

いえいえ(笑)。こちらこそ、ありがとうございました。