三菱自動車は25日、「第45回 東京モーターショー2017」にて、同社の新しいブランド・メッセージ「Drive your Ambition」を体現するコンセプトカー「e-EVOLUTION CONCEPT」を世界初披露した。同社の強みであるSUV、EV、そしてシステムの融合による新たな運転体験という3つの価値を訴求する、技術的なプロトタイプとしての提案となる。
「e-EVOLUTION CONCEPT」のデザインは、三菱自動車の2つのヘリテージであるオフロード性能と優れた四輪制御によるハイパフォーマンス性能のうち、後者に対する挑戦を示したモデル。同社が培ってきた四輪で大地をグリップする力強さ、高速で大地を駆け抜けていく軽快感を表現することをめざしている。
インテリアは、フローティングしたインストルメントパネルおよび小型のメータークラスター、機能を集約したハイコンソール、前面大型ディスプレイにより、まったく新しいコックピットを表現。インストルメントパネルには「ホリゾンタルアクシス」と名づけた水平基調のデザインを採用し、走行時の車両状態を認知しやすく、すっきりとした形状で良好な前方視界も確保した。
EVシステムは小型・高出力モーターをフロントに1機、リヤに2機とするパワートレインレイアウトと大容量の駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載。街中から高速道路、アップダウンのあるワインディングなどさまざまな道路状況において、EVならではの力強くなめらかで静かな走りを発揮する。駆動用バッテリーを車両中央のフロア下に配置することで低重心化を推進し、卓越した操縦安定性の実現に大きく貢献している。
4WDシステムは、フロントに1機のモーターと、リヤに新開発の「デュアルモーターAYC」で構成するトリプルモーター方式に、同社の車両運動統合制御システム「S-AWC」を適用。ブレーキキャリパーも電動化させることで、四輪の駆動力・制動力を高応答・高精度で制御し、旋回性能とトラクション性能を大幅に向上させている。
また、車載AIがドライバーの運転をアシストする機能も搭載。多くのセンサーで、刻々と変化する道路環境や交通状況を認知し、その瞬間のドライバーの操作からドライバーの意思を的確に読み取ることで、ドライバーの運転技量にかかわらず安全で快適なドライビングを提供する。車載AIには独自のコーチング機能を持たせており、ドライバーの運転技量を把握して運転技量を向上させるメニューを考え、音声対話や前面大型ディスプレイ表示を使ってアドバイスを行う。