ボーイングは10月23日、三菱重工業と市場競争力の向上を図るため協業関係を強化していくことで合意したことを発表。今回の合意は、787ドリームライナーにおける三菱重工が担う主翼製造のコスト削減のほか、将来民間航空機事業を見据え、先進的な機体構造技術について共同研究を進めていくことが含まれている。

三菱重工は、炭素繊維複合材からなる787の主翼の生産を引き受けている

三菱重工は、炭素繊維複合材からなる787の主翼を名古屋の工場で生産している。三菱重工は、リーン生産方式や自動化等の導入により、その生産システムおよびサプライチェーンのさらなる効率化を目指す。

ボーイング民間航空機部門社長兼CEOのケビン・マカリスター氏は、「今回の合意は、三菱重工における787ドリームライナーの担当部位を中心に、ボーイングと三菱重工が共同でコスト削減と効率改善を推進することで、協業関係をさらに強化していくものです。サプライヤーとの協業は、ボーイングが推進する"Partnership for Success"の要となるもので、これにより競争の激しい今日の市場を勝ち抜き、将来のチャンスを先取りしてきます」とコメントしている。

三菱重工業社長の宮永俊一氏は、「三菱重工は、今回の合意により、両社の民間航空機事業における市場競争力をさらに向上させることとなり、大変うれしく思います。ボーイング社とは、737、747、767、777、787ドリームライナー、そして最新鋭の777Xを通じ、40年以上にわたるパートナーシップを築いてまいりました。これを機に、更に将来機事業における協力の機会を検討していけることを楽しみにしております」とコメントした。

ボーイングの日本におけるサプライヤーの数は約150社にのぼり、日本からの調達額は毎年約50億ドル相当する。