いまや年末の風物詩、『スター・ウォーズ』シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が12月15日に大公開となるが、それに先がけて本作の脚本と監督を手がけたライアン・ジョンソン監督が来日! 先日解禁になった最新予告編の、はるかはるか以前に実施した来日インタビューで、秘密主義を貫く同シリーズだけに具体的な情報はないものの、いわゆる『スター・ウォーズ』らしい作品になることは保証したジョンソン監督。劇中では、前作フォースの覚醒のハン・ソロ級のサプライズもあるそうだが、はたして……!?

ライアン・ジョンソン監督

――今回、ロゴやマントが赤い(暗黒面の象徴色)ですよね? つまり最新作では、全員ダークサイドに堕ちているということでよろしいですか?

僕も含めてね(笑)!

――え?

いやいや、BB-8がダークサイドに堕ちるということは絶対にあり得ないよ(笑)。すべてのキャラクターが自分にとっての一番の試練、もしくは辛いことと対峙することになる。それは、レイもフィンもボーでさえもね。善の側のキャラクターも、皆が試練に立ち向かうわけだ。作品はシリアスなほうに向かうけれども、そうはいっても『スター・ウォーズ』映画だから、楽しさということは絶対に忘れてはいないよ!

――簡単に言ってしまうと、SWの世界はわくわく感がいつもありますからね。

確かに脚本を書いている時は、皆が驚くようなドラマチックな要素を持たせたいけれども、それと同時にジェットコースター的な展開や、今までの作品がそうであったように楽しさも持った作品にしようと考えた。だからダークな感じにはなっているけれども、圧倒的に暗いかというと、そうではないからね。

――まず、前作の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』については、どういう感想をお持ちですか?

すごく大好きだ。一番響いた要素は、JJが創り出したキャラクターだった。そして彼がキャラクターのために集めたキャスト。レイを演じるデイジー・リドリー、フィンを演じるジョン・ボイエガたちを初めて観た時に、惹きこまれたよ。映画を観ていて、子どもの頃に出会った親友のこととか思い起こして、すぐに共感した。実は『スター・ウォーズ』映画の中で、そういうことをやり遂げてしまう人がJJだ。

『スター・ウォーズ』映画的に落としていけることがまずすごいし、キャラクターたちを追っかけて行こうと思わせてしまうことも素晴らしい。だからこそ、そのキャラクターたちの物語を続けていこうと思ったよ。

――今回、ポーグというかわいい新キャラクターが話題になっていますよね。どういう役割を担っているのですか?

主要なキャラクターではないけれども、ルークがいる島に暮らしている。実はアイルランドの外れにある島にロケハンに行った時に、ツノメドリという鳥がたくさんいてね。何世紀も前はキリスト教徒が暮らしていたらしいけれど、今は無人島になっている場所だ。宮崎駿監督がそうであるように、現実世界にあるものにインスパイアされて、ファンタジックな世界に採り入れることをしたいなと思った。それによって、場所としてリアルになると思ったからね。ポーグはユーモアがあって、コミックリリーフ的な存在だよ。

――そう言えば7月の「D23 Expo」で初公開となったメイキング映像で、ジョン・ボイエガが「すべては逆の方向に行く」と言っていましたが、逆とは具体的に何を指しているのでしょうか?

観ていて驚く、という意味ならいいけれど(笑)。観ていて物語の中にサプライズが多いと思うけれど、それはリアルで誠実なものであって、サプライズありきではないよ。ただ驚かすことは、したくなかったからね。観ていて理にかなっていることが最高のサプライズであって、誠実に作らなければいけない。それが僕のゴールでなければならなかったよ。

――前作の「フォースの覚醒」でハン・ソロの一件がサプライズの10点だとすると、今回の最大のサプライズは何点です???

同じくらいかな(笑)。もうちょっと上かな? ただ、あんまり煽りたくないかな。皆さんには素直に観てほしいから。期待は抑え目にしてくれたほうが、サプライズが来た時に驚けるからね(笑)!

■プロフィール
ライアン・ジョンソン
1973年12月17日生まれ。アメリカ、メリーランド州出身。同州のサンクレメンテで育ち、南カリフォルニア大学で映像の勉強を重ね、1996年に映画芸術学部を卒業。女子高校生が女子生徒の死の真相に迫るミステリー・サスペンス映画で、長編映画監督デビュー作でもある『BRICK ブリック』が2005年のサンダンス映画祭で上映され、審査員特別賞を受賞。以後、『ブラザーズ・ブルーム』(09)、『LOOPER/ルーパー』(12)、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)と続く映画で、脚本と監督を手がける。『BRICK ブリック』(05)の主演であるジョゼフ・ゴードン=レヴィットとは盟友関係にして自作の常連俳優で、9月に日本で開催した『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)のファンミーティングイベントでは、ジョゼフがカメオ出演していることを突如話してしまい、大きな話題と注目を集めた。