俳優の船越英一郎が6日、東京・渋谷のNHK放送センターで行われたBS時代劇「赤ひげ」(11月3日より毎週金曜20:00~)の記者会見に、共演の中村蒼らとともに出席した。

船越英一郎

同作は、山本周五郎の傑作小説「赤ひげ診療譚」を連続ドラマ化したもので、江戸・小石川養生所を舞台に、武骨で謎めいた医師"赤ひげ"(船越)と青年医師(中村)との交流、そして貧しい患者や市井の人たちの姿を描く。

赤ひげを演じた感想を聞かれた船越は、「山本周五郎先生の名作中の名作で、映像作品としても映画では三船敏郎さんがおやりになり、NHKのドラマでは小林桂樹さんや萬屋錦之介さん、藤田まことさんなど、そうそうたる綺羅星の如くの先達の大先輩たちがおやりになって、しかもすべてが名作ぞろいということで、その作品に挑戦するのは無謀で暴挙なんじゃないか(と思った)」と恐縮しつつも、「でもその暴挙に挑んでいくことは大冒険でもあると自分を鼓舞いたしまして、その大冒険の旅を蒼君や監督、素敵なスタッフ全員で、素晴らしい大冒険ができたのかなと思っております」と胸を張った。

さらに、船越は「今までの赤ひげは、成熟しきったヒーローとして描かれてきましたが、今回の赤ひげは未成熟な未熟者であるという風に演じさせていただきたいと思って臨ませていただきました」と明かし、「平成版の赤ひげは、赤ひげ成長譚というようなドラマになっていると思います。平成版は(これまでの)赤ひげとはちょっと違って、肩肘を張らず、笑いもあれば最後はしっかりと涙を流していただけるような作品作りをみんなで目指したような気がしております」とアピールした。

また、同局の帯番組『ごごナマ』(毎週月~金曜13:05~)で司会を始めた時期とほぼ同時に、同作の撮影がクランクインしたそうで、両立は大変ではなかったか尋ねられると「初めて生放送で3時間の帯をやらせてもらって、それを毎日やりながらドラマをやった経験は、35年以上役者をやってきて初めてでした」といい、「『ごごナマ』が終わったあとにスタジオに駆けつけていました。キャストやスタッフさんにかかる負担も大きかったと思いますが、そういう逆境が、皆さんが1つになる力になったのかなと。自分自身もその逆境こそがエネルギーになったかなと思います」とコメント。「今年はいろんな意味で人生にとって大変なことがたくさん起きた1年でございます」と妻でタレントの松居一代との離婚騒動を思わせるコメントで締めくくり、報道陣の笑いを誘った。