――例えばインフルエンザウイルスに感染してしまった場合、企業などと同様に出勤停止になるのでしょうか。

インフルエンザの場合、省庁あるいは企業によっては、学校感染症法の規定に準ずる出勤停止基準を設けていることがありますが、企業の規模や経営者の方針などによりさまざまでしょう。同じように医療機関の場合、その規模(例えば総合病院か個人クリニックかなど)によってそれぞれの方針がありますので、出勤停止になるかどうかは一概には言えません。

ただ大前提として、医療機関を受診する患者さんに医療従事者の感染症をうつしてしまうことはあってはならないため、特にインフルエンザを発症してしまった場合は、基本的に出勤停止になるケースが多いと思います。それでも、先ほどお話したように医療機関の職員は感染症予防を徹底していますので、一度に多数が感染するような事態はまずないと言えます。

――休院の可能性はほぼないということでしょうか。

医療機関の急な休院は受診予定の患者さんに迷惑をかけますので、できるだけ避けたいことです。最低限の業務をできる人数がいれば、限られた期間、多少無理をしても運営はします。

もともと最小限の人数で運営している医療機関であっても、代替人員を緊急に手配するなどして、休院を避ける努力をします。それでもやむをえず休院することはないとも言えませんが、多くはありません。

――患者からうつる病気で特に注意している病気はありますか。

先ほどお伝えした感染性胃腸炎、夏風邪などの感染症はすべて注意していますが、とりわけその中でも気をつけているのはやはりインフルエンザです。そのほか、唾や鼻水などの飛沫感染する風邪に感染しないよう、診療時にマスクをすることや、胃腸炎ウイルスに感染しないように手洗いを徹底するなど、日ごろの注意で予防できる感染症に関しては日常的に注意しています。