日産自動車、三菱自動車工業、ルノーのアライアンスは、2022年までの6年間を対象とする新たな中期計画を発表した。年間販売台数を現在の約1,000万台から1,400万台に伸ばすとし、計画には電気自動車(EV)の拡充や無人運転車両による配車サービスへの参入なども盛り込んだ。

日産、三菱自、ルノーで計1,400万台を目指すと発表(画像は日産のグローバル本社)

販売1,400万台、売上2,400億ドルが目標

3社は15日、新たな6カ年計画「アライアンス2022」を発表。アライアンスの会長兼CEOを務めるカルロス・ゴーン氏は、計画終了時には年間販売台数で1,400万台以上、売上高で2,400億ドルに達する見通しだとコメントした。ちなみに、2016年の販売台数は計996万台強、売上高は約1,800億ドルだ。

2016年に前年比16%増の50億ユーロだった3社によるシナジー効果は、年間100億ユーロへと倍増させる。そのため、3社はプラットフォーム、パワートレイン、EV、自動運転、コネクテッド技術などで共用化を進めるという。プラットフォームの共通化により、3社は4つのプラットフォームで900万台以上をカバーする計画。共通パワートレインの使用も全販売車両の75%まで拡大させる。

アライアンスの新たなロゴも発表となった

自動化・電動化への対応は

自動運転については、異なるレベルの技術を40車種に搭載する方針。計画によれば、日産は2020年に自動運転レベル3の世界に踏み込むようだ。技術の展開スケジュールは以下の通り。

・2018年:高速道路高度自動運転車両(ドライバーは常に周囲を監視する必要あり)

・2020年:市街地高度自動運転車両(ドライバーは常に周囲を監視する必要あり)

・2020年:高速道路高度自動運転車両(ドライバーは必要に応じて運転に関与)

・2022年:初の完全自動運転(ドライバーの運転への関与は不要)

無人運転車両に関する取り組みとしては現在、DeNAおよび仏トランスデブと実証実験を実施中。「アライアンス2022」の期間中には、無人運転車両の配車サービス事業に参画するとしている。

EVの領域では、2022年までに3社で12車種の100%EVを発売する予定。EVの70%はアライアンス共通のプラットフォームで作るという。EVの航続距離では2022年までに600キロを目指す。ちなみに、先日発表になった日産の新型「リーフ」で航続距離は400キロだ。

新型「リーフ」

EVの覇権争いは今後、世界的に激化していく見込み。例えばフォルクスワーゲンは先頃、「2025年までに全グループブランドで合計80車種の電動車両を新たに販売する」との構想を打ち出しているし、テスラも同社初の量販車「モデル3」で存在感を増していきそうな情勢だ。アライアンスは量販EVを手頃な価格で提供していく構えだが、「アライアンス2022」の期間中も世界一のポジションを維持していくためには、これまでと比較にならないくらいの厳しい競争に勝ち抜く必要がありそうだ。