「てりたま」「月見」「グラコロ」に続けるか

マックでは2015年から夏の期間限定メニューとして「ロコモコバーガー」を展開しているが、この商品についてはハワイ州から公認を得ていた。この関係性が、今回のキャンペーン参加につながった。

今年もロコモコのハンバーガーを発売するマック

今年から「ロコモコ」に名称を改めるロコモコバーガーだが、その特色は「本格肉厚ビーフ」と「野菜とビーフのうまみが凝縮した肉汁ソース」の組み合わせだ。今回から、ロコモコには同社商品の「グラン」と同じ大ぶりなパティを挟み込み、ボリュームとジューシーさを引き立てているという。ロコモコは単品で390円、バリューセットで690円。今年からはカレー味も追加となる。

ロコモコは7月11日から8月上旬までの期間限定商品だ

ロコモコ推しキャンペーンの何がマックにとって“渡りに船”なのか。それは、季節ごとに定番の期間限定メニューを投入し、集客につなげているマックが、“夏”だけを多少、苦手にしていることと関係がある。

マックが好きな人であれば、春は「てりたま」、秋は「月見」、冬は「グラコロ」という風に季節の風物詩を思い浮かべることができると思うのだが、マックの夏の定番と聞かれて、どれだけの人が「ロコモコバーガー」と答えることができるだろうか。マックの商品開発担当に話を聞くと、ロコモコは販売面こそ「堅調」であるものの、夏の定番としての存在感については、月見などと比べれば見劣りすることを認めていた。

夏はロコモコ、というイメージを浸透させたいマック(画像は夏カレーロコモコ)

つまり、マックとしては夏の定番を作ることが急務だった。逆にいえば、夏限定商品としてロコモコを確立することで、マックは全ての季節を定番商品で網羅することができる。これは、季節感を大切にする日本での事業展開にとって大事なポイントなのではないだろうか。

ハワイ州という主催者のもと、コンビニおよびレストランという異業種のビッグネームと共同キャンペーンを展開できることは、マックにとってロコモコの知名度を上げるチャンスになるだろう。ロコモコが売れるかどうかは、マックの季節商品戦略を考える上でも重要な指標となりそうだ。