俳優の太賀が2日、Huluオリジナルドラマ『山岸ですがなにか』(きょう2日から毎週日曜配信、全4話)の取材に都内で応じ、"ゆとりモンスター"という役を演じたために、周囲をイラつかせている実情を明かした。

『山岸ですがなにか』主演の太賀

このドラマは、日本テレビ系『ゆとりですがなにか』(2016年4~7月放送)で、「それって強制スか?」「メール見ないんで次からLINEでお願いしま~す!」などの名言で話題となった、太賀演じる"ゆとりモンスター"・山岸ひろむを主人公に描いたスピンオフ作品。

今回の話を聞いた際は「そんなことがあるんですか!?」と驚いたそうで、本編と同じ「宮藤官九郎脚本」という台本を見て、「本当にやるんだ」という喜びと現実味がわいてきたそうだ。久々の"ゆとりモンスター"役には、なかなか戻れなかったといい、「(本番前の)ドライをやると汗だくになってました」と苦労を振り返った。

その強烈なキャラクターのため、連ドラ放送後は「どこに行っても、僕が何を発言してもイラつかれる…」と、役と混同されたそう。撮影現場でニコニコして「おはようございます」と言うだけで、枝見洋子プロデューサーに「ムカつく」と言われてしまったそうで、「山岸のせいで信じてもらえない日々が続きました」と苦笑いした。

自身も、1993年生まれの"ゆとり世代"だが、「遅刻しても『遅刻してませんよ』的な空気を出す」と、"ゆとり要素"を自覚しているそう。この役柄に「最初はとんでもねぇやつ」と思ったそうだが、「(台本を)読み込んで理解していくうちに、わりと近いかもって思う時もあったりして、そういうのも宮藤さんは見据えて書いてるんだなと思うと、本質を見られてると思ってちょっと怖くなったりしました」と、心境を吐露した。

そんな"モンスター"のキャラクターは、ある後輩をヒントにしたそう。「なんで分からないけど、常にニコニコ笑って、ずっとニタニタしてる」といった厚顔無恥なところを忠実に再現したといい、あるタイミングで役づくりの参考にしていることを本人に伝えたが、「全く理解していなかったんです。そういう客観性が欠けているところもいい」と、筋金入りだったことを明かした。

それでも、この特異な役柄に、「やる前とやる後で反響が違ったし、自分を引っ張ってくれた」と感謝。「これをあの時やってなかったら、今とは違う状況だろうと思います」と、大きな転機になったことをあらためて語った。

今回のスピンオフは、本編のスペシャルが、きょう2日と来週9日(いずれも22:30~)に放送されることを記念して制作されたもので、2日の地上波放送後に配信開始する。山岸が、ゆとり世代の1人としてドラマ『ゆとりですがなにか』の制作スタッフから取材を受けるところから物語がスタート。アシスタントプロデューサー・冬美役で佐津川愛美をヒロインに起用し、坂間正和(岡田将生)、山路一豊(松坂桃李)、道上まりぶ(柳楽優弥)といった本編のメインキャストも出演する。

劇中では、菅田将暉の名前が登場するシーンもあり、太賀が菅田本人にそのことを伝えると、「やっぱさすが『ゆとりですがなにか』やな」と感心していたことを明かした。