日本の多くの企業は、これまで副業を認めてこなかった。「本業が疎かになる」「会社の機密情報が漏えいする」といった恐れからだ。しかし最近になり、一部の大手企業などでも副業を解禁する動きが出始めているようだ。そこで今回は、在日外国人20名に「副業を認める企業」についてどう思うか聞いてみた。

Q. 日本では、副業を認める企業が増えてきていますが、これについてどう思いますか?

■大賛成!

「いいことだと思います」(ポーランド・40代前半・女性)

「もちろん大賛成です。本業の支障にならないかぎり、副業を制限する意味がないと思います」(イタリア・30代前半・男性)

「歓迎します」(ウクライナ・30代前半・男性)

「良いと思います。日本企業の給料は他の国より安いので、家族を育つ為、副業をするしかないのです」(アメリカ・20代後半・男性)

「必要ですね」(トルコ・30代後半・男性)

「いいと思います」(ドイツ・40代後半・女性)

「日本では会社の収入が少なくて、また得られる経験も限られてしまうので、副業に賛成です」(モロッコ・30代前半・男性)

「柔軟性のある仕事環境で働く事が良いと思います。個人的にも副業していますが、自分の働きたいスタイルに合わせられるので楽です」(ギリシャ・30代後半・男性)

「生活費が高いのでいいと思います。私もやりたいです」(エジブト・30代前半・男性)

「良いことだと思う。オフの時間の使い方は自由だから」(タイ・30代前半・女性)

「とてもいいことだと思います。勤務に入っていない時間は従業員が自由に使えるのが当たり前のことだと思います」(ブラジル・40代前半・男性)

「増えるべき。そもそもなぜ、今まで副業が認められないことに意味が分からない」(台湾・20代後半・男性)

「どんどん応援する企業が増えてほしいです」(モンゴル・40代前半・女性)

「大歓迎。収入を上げるのを希望する人が多いためです」(ベトナム・30代前半・女性)

「良いと思う。そもそも業務以外の時間に、個人が何をするが会社が制限するのはおかしい」(韓国・30代前半・女性)

「多様な価値観を理解する能力は、とてもよい制度だと思う」(インド・30代後半・女性)

「自分の時間と才能をもっと有効に活かすものがあれば、認めてもらえて当然です」(キルギス・30代前半・女性)

■どちらかと言えば否定的

「本業でワークライフバランスが取れることは前提だと思うが、日本で働くと大体の場合はワークライフバランスがないイメージがある」(インドネシア・30代前半・男性)

「大変だと思う」(フランス・30代前半・女性)

「基本的に人は副業を持たなきゃいけない状況はよくないです。もっと家族について考えなければ少子化は消えないです」(ロシア・30代前半・女性)

総評

アンケートの結果、歓迎する声が圧倒的多数だった。副業したい理由として、アメリカとモロッコの男性は「日本の会社は給料が少ないので」、エジプトの男性は「日本は生活費が高いので」と回答。ブラジルの男性、タイと韓国の女性は「オフの時間の使い方は自由だから」と回答している。

一方で「副業しなければいけない状況はよくない」とロシアの女性。インドネシアの男性は「日本の企業はワークライフバランスがとれていない」と指摘する。これは本業の負担が大きいために副業できないのではないか、との見方だろう。

ところで日本のOL、サラリーマン20名を対象に同じアンケートをとったら、副業に肯定的な人は何割くらいいるだろうか。日本人はまだ、外国人ほど副業に馴染みがない。「会社への忠誠心」が求められるような時代はとうに終わったが、それでも人によっては、本業として勤めている会社に対する"背徳感"のような後ろめたさも感じてしまうのではないだろうか。副業が当たり前になるまで、まだ少し時間がかかりそうだ。