ベネッセ教育総合研究所は5月15日、「幼児期から小学生の家庭教育調査・縦断調査」の結果を発表。同調査は、子どもを持つ母親497名を対象に2012年1月~2016年3月の期間、郵送法で行われたもので、年少児期、年中児期、年中児期、小1期、小2期それぞれの時期の学習態度などを調べている。

小学校の学習態度を決定する、幼児期の3つの要素とは?

はじめに、それぞれの時期で、前の学年に身に付けた要素が、次の学年の成長にどう影響するのかを分析した結果、幼児期では「生活習慣」が「学びに向かう力」に影響を与え、「学びに向かう力」が「文字・数・思考」に影響を与えていることが分かった。同社は、「生活習慣」「学びに向かう力」「文字・数・思考」の3つの力を幼児期に身に付けることで、小学校以降も伸びることが確認できたとコメントしている。

また、小1での親の関わりが小2の「学習態度」にどう影響するかを分析したところ、「子どもの意欲を大切にする態度」と「学習環境を整える関わり」が影響を与えていると判明。

小2の子どもの学習態度には、「子どもの意欲を大切にする態度」と「学習環境を整える関わり」が影響を与えていた

例えば、「学習態度」を構成する項目の一つ、「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」と回答した割合を調べると、小1で「意欲を大切にし、学習環境も整えた」人は76.2%、「学習環境を整えた」人は62.9%、「意欲を大切にした」人は61.5%と両方の働きかけを行っている方が、どちらか一方を行うより効果的であることが分かった。

「意欲を大切にし、学習環境も整えた」人の割合が高かった

さらに親の具体的な関わりを分析すると、小1で「しかるよりほめる」「ワークや教具を使って学習させている」ほど、小2で子どもが自分から進んで勉強する傾向が見られた。また、「やろうとしているときに、最後までやらせるようにしている」「教具を使って学習させている」ほど、勉強していて分からないときに、自分で考え、解決しようとする傾向が見られた。

小1で「しかるよりほめる」「ワークや教具を使って学習させている」ほど、小2で子どもが自分から進んで勉強する傾向が見られた