千葉・幕張メッセで開催中のイベント「ニコニコ超会議2017」(会期:4月29・30日)の「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」ブースにて29日、スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏が大書パフォーマンスに挑戦。イベント後に行われた記者会見では宮崎駿監督の新作長編の進行具合について言及した。
今回のパフォーマンスは2017年8月27日~11月5日に広島県熊野町・筆の里工房にて開催される予定の「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」を記念して行われたもの。会場には宮崎駿氏のそっくりなファンも登場し、笑顔で握手と写真に応じるひと幕もあった。
今回は「筆の里工房」で制作された筆を使用し、鈴木氏は、まずデモンストレーションとして小さな紙に「く」の文字を描いた。これは、先日発表されたニコニコ動画の新バージョン「niconico(く)」(ニコニコクレッシェンド)の文字。
その後、約20畳の特別な布に向かい、大書に挑んだ。墨汁の桶持ち役をドワンゴの代表取締役会長・川上量生氏が担当するという豪華なシチュエーション。鈴木氏は、巨大な筆を持ち、ゆっくりと時間をかけて2つの円を描いて、各円に複数の線を足し、『となりのトトロ』でお馴染みの「まっくろくろすけ」を描き上げた。そして仕上げに名前に加え、宮崎駿氏がデザインしたという落款を入れ、作品が完成。鈴木氏は「いいですね。左目が楕円になっちゃってどうしようと思ったが、右目を丸く大きく描いたらバランスがよくなった」と満足げな表情を見せた。
パフォーマンス後に行われた鈴木氏の囲み取材では、鈴木氏が書き下ろした「ニコニコ超会議2017」のキャッチコピー「この景色の中にあたらしい『いま』」の話題に。このキャッチコピーは、川上氏がオファーして鈴木氏が5・6本挙げた候補から選ばれたという。また、その中には鈴木氏が気に入っていたという「今日だけは叱らないでください」というキャッチコピーもあったが「残念ながらボツになりました」と笑顔で裏エピソードを披露した。
さらに話題は宮崎駿氏の新作長編に及んだ。鈴木氏は「今、20分ぐらいの絵コンテを描いているが、進捗状況はよくない」と説明し、公開時期も未定とのこと。しかし、短編新作『毛虫のボロ』に関しては「絵は終わって、あとは音だけ。7月の美術館のリニューアルオープンには皆さんに見ていただけると思う」との回答があり、「久々にかなりすごいものを見た。かなり面白いので期待してください」と語った。