――現在、日本テレビ系『恋がヘタでも生きてます』の撮影中だと思いますが、朝ドラの経験を生かせていることは何かありますか?
どんなシーンでも楽しみながら臨むようにしていて、スタッフの方とも積極的にコミュニケーションを取っています。特に今回はオールロケということもあって、「みんなで1つの作品を作る」という感覚を大事にしたいという思いがあります。これは朝ドラを経験させていただいたからこそ、できていることなのかなと思います。
――ドラマ楽しく拝見しています。ラブコメだと思って油断して観ていたんですが、なかなかハードな恋愛劇が展開されたり。婚約者に浮気され、浮気相手から取り戻すために別の男性と体の関係を持つことに……。
一見、君ちゃんと似たようなキャラクターなのかなと思うんですけど、そんなことは最初だけ(笑)。回を重ねるごとにどんどん変わって、揉まれていく役です。揉まれて揉まれて強くなっていく……楽しい役ですけど今は終盤を撮っていて、つらい時も(笑)。
婚約者の仁くんに浮気されて、自分を見つめ直してもがく。自分が本当に求めているもの・人は何なのか。思い悩み、しがみつき。答えを見出した後にも悩みは続きます。
――第1話では、そんな仁くんから土下座されましたね(笑)。浮気がバレた時の最終手段。
そうなんです。初日の撮影だったんです。
――初日に土下座されたんですか(笑)。
はい(笑)。まだ『べっぴんさん』が終わる前だったと思います。いきなり土下座されてしまったんですが、仁くんが何ともいえない表情をするんですよ。本当に憎めなくて(笑)。結局は浮気を許してしまうのも、4年間の関係性なのかなと。土下座の仁くんを前にしゃがんだ時は、まだ100%の「許し」には至ってなかったと思います。「許す」「許さない」ではなくて、「飲み込む」ようなイメージでした。
――民放の連続ドラマでは初のレギュラー出演になります。何か特別な思いはありますか?
スタッフさんは朝ドラを観てくださっていたらしいんですけど、まさかこういうジャンルの話が舞い込んでくるとは思っていなかったのでちょっとびっくりしました。油断していたジャンルというか。私には縁がないものと思い込んでいたので、期待に応えられるよう頑張りたいと思います。
――「連ドラ初レギュラー」より、「この役をもらえたこと」が喜びだと。
そうですね。とにかく驚きました。
――役者としての自分を、そうやって俯瞰して見ていらっしゃるんですか?
こういう役が多いというよりは、こういう役は無さそうとか。全く未開拓な世界観だったので、決まってすぐに漫画を読んで……えー!と思いました(笑)。実は少女漫画をあまり読んでこなかったんです。その魅力に触れて、とても感動しました。私がこうやって漫画を読んでドキドキするみたいに、私も観て下さる人をドキドキさせられるんだろうか……それが唯一心配、大丈夫かなと思っていたところでした。自分の中では欠落している要素だったので、それをカバーできるようにとにかく頑張ります!
■プロフィール
土村芳(つちむら・かほ)
1990年12月11日生まれ。岩手県出身。B型。身長160センチ。子ども劇団に所属後、高校在学時に新体操でインターハイに出場。京都造形芸術大学の映画学科俳優コースに進学し、数々の舞台作品や自主制作映画に出演した。2013年3月に大学を卒業後、4月からヒラタオフィスに所属。これまで、『カミハテ商店』(12)、『弥勒』(13)、『劇場霊』(15)、『何者』(16)などの映画、『フラガールと犬のチョコ』(テレビ東京系・12年)、『ワカコ酒』(BSジャパン・15年)、『コウノドリ』(TBS系・15年)、『べっぴんさん』(NHK・16~17年)などのドラマに出演。4月6日からスタートした読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『恋がヘタでも生きてます』(毎週木曜23:59~)に出演中で、今年10月に全国放送予定の北九州発ドラマ『GO!GO!フィルムタウン』(NHK BSプレミアム)では主演を務める。