リコー 代表取締役社長・CEO 山下良則氏

4月1日にリコー代表取締役社長・CEOに就任した山下良則氏。142名の新入社員とともに社長としてのスタートを切った山下氏のメッセージは次の通り。

リコー 代表取締役社長・CEO 山下良則氏(同社提供)

「私たちが目指すリコーの未来の姿は、『知の創造』にこだわっていくということです。私たち自身の「知の創造」はもちろんですが、近い将来リコーはお客様の『知の創造』を支援する会社になりたいと考えています。

新入社員の皆さんにはそれぞれ希望の配属部門があることでしょう。私は入社以来、様々な部門で様々な仕事を経験してきました。今にして感じるのは、どんな仕事にも成長の機会があり、今の自分を形成している。会社の仕事はすべてが、現在または将来の課題解決であり、そのために能力を発揮し成長していくものだ、ということです。こうした自分の経験を踏まえ、新入社員の皆さんに期待することは次の3つです。

1. 自己主張ができる……おとなしい優等生よりも、必要な行動ができるとがった人に
2. グローカルに生きる……グローバルな視野で考え、ローカル(現場)で実行する人に
3. リーダーになる……リーダーとは影響力のある人で、新しい眼で新たな風を起こす人に

私は常々、『企業の宝は、社員のモチベーションである』と思っています。そのためにも、社員一人一人とのコミュニケーションを大切にして、皆さんが喜んでやりがいのある仕事場にしていくことは私の使命だと感じています。

今からおよそ20年後にはリコーは創業100周年を迎えますが、このときリコーを担っていくのは、他の誰でもない今日入社した皆さんです。そんな皆さんを迎えたリコーは、今日から次なるイノベーションを目指し再起動します。一緒に力を合わせて新しいリコーを創り上げていきましょう」(山下代表取締役社長・CEO)

NTTデータ 代表取締役社長 岩本敏男氏

NTTデータは4月3日に納付書のバーコード読み取りで簡単に口座振替の申し込みが可能になる、自治体向け「モバイルレジ口座振替受付サービス」を開始すると発表した。同日に実施された入社式には385名の新入社員が参加し、代表取締役社長の岩本敏男氏からのメッセージに耳を傾けた。

「昨今、世界では様々な出来事が起こっています。従来の価値観を大きく変化させるような動きが世界中のいたるところで起きており、政治・経済・社会において不確実性が増してきている時代です。そのような中、ITは人々が生活を送る上で欠かせない存在となり、それを支える技術は一昔前では想像がつかないほどのスピードで指数関数的に進化を続けています。皆さんには、これからこの不確実で大きな変化が予測される世の中において、人々の生活を劇的に進化させる可能性を持ったITを扱う仕事をするということを強く認識していただきたいのです。

本日、社会人としてのスタートを切った皆さんへ、私の信条である『真実一路』という言葉を贈りたいと思います。これは、自ら正しいと信じる道を貫き通す、という言葉です。書物や歴史、先輩や同僚から学び、自分は何をすべきかを必死になって考える。そうして自分のやるべきこと、正しいと信じられる道が見えれば、たとえ周りの人に反対されたとしても、それを信じて突き進んでいくことで、必ずや目標を達成することができる、私はそう信じています。

社会人として成長を続けていくと、様々な壁に直面することがあります。そのようなとき、自分は何を正しいと考え、重きを置く価値はどんなものか、といった自分の『軸』をしっかりと把握していれば、どのような環境であってもそこに立ち戻って物事を考えて判断することができますし、時代の変化の波に流される心配もなくなります。一人の人間として何をすべきなのか、どのような人生を送って自己実現を果たしていきたいのか、是非考え続けてください」(岩本代表取締役社長)

京セラ 代表取締役社長 谷本秀夫氏

京セラグループは初のグループ合同入社式を京都府京都市の本社で実施。京セラ、京セラドキュメントソリューションズ、京セラコミュニケーションシステム、京セラオプテックに入社した計314名が集まった。京セラ 代表取締役社長の谷本秀夫氏の入社訓示は次の通り。

京セラ 代表取締役社長 谷本秀夫氏(同社提供)

「昭和34年に従業員28名で創業し、この4月で創立満58年を迎えた京セラは、現在、グループとして全世界に約7万名の社員を有し、売上高約1兆5千億円のグローバル企業へと成長した。創業当時、京セラは十分な資金もない中、互いに助け合える仲間の『心』をよりどころとしてスタートした。以来、私たちは社員同士の強い信頼関係を大切にし、人の心をベースに経営を行ってきた。こうした考え方は、グループの成長と活力の源泉であり、これからも大切に守り続けていかなければならない。

本日、京セラグループの一員になられた皆さんに、大事なことを2点伝えたい。1点目は『与えられた仕事を好きになる』こと。与えられた仕事を好きになる努力をし、自分の仕事を天職と信じ、打ち込んでいただきたい。全力を尽くして仕事をやり遂げれば、大きな自信と達成感が生まれ、次の目標への意欲がわいてくる。それを繰り返すことで、更に仕事が好きになり、どんな困難も苦労に感じることなく、より大きな成果を上げられるようになる。

2点目は『高い目標をもつ』こと。京セラは、創業当初から『いつかは世界一の会社になる』という高い目標を掲げ、毎日、地道な努力を積み重ねてきた。それは個々人においても同じであり、明確な目標を持ち、それに向かって日々努力を続けることが必要だ。

私たちの目標である世界中から尊敬される企業『ザ・カンパニー』の実現には、創造力とバイタリティにあふれた皆さんの若い力が必要であり、一日も早く各職場で戦力となり、大いに活躍することを心から期待している。今日から始まる皆さんの新しい人生がすばらしいものとなることを心から願っている」(谷本代表取締役社長)

終わりに

以上、有名企業5社のトップによる入社訓示を紹介した。「与えられた仕事を好きになる」(京セラ 谷本代表取締役社長)、「ロボットではなく『人間がするべき仕事』とは何かを考える」(ソフトバンク 孫代表取締役社長)など、既に社会に出て働いている人もハッと考えさせられるようなメッセージばかりだ。

上記以外にも、入社訓示を公開している企業は多いので、新入社員の頃のように、初心に返って仕事がしたい、という人は是非読んでみてほしい。