ディズニー映画『美女と野獣』(4月21日公開)の来日記者会見が29日、都内で行われ、名曲「美女と野獣」を生み出したディズニー音楽の巨匠アラン・メンケンと、本作の監督ビル・コンドンが出席。また、プレミアム吹替版でベル役、野獣役を担当する昆夏美と山崎育三郎も駆けつけ、アラン・メンケンとコンドン監督に感謝を込めて「美女と野獣」日本版デュエットソングを生熱唱したほかアラン・メンケンによる『美女と野獣』の名曲ピアノメドレーまで行われ、豪華な記者会見となった。

左から昆夏美、アラン・メンケン、ビル・コンドン監督、山崎育三郎

全世界で興行収入700億円を超え、2017年公開作品でNO.1の大ヒットを記録している本作は、『ハリー・ポッター』シリーズでハーマイオニーを演じたエマ・ワトソンを主演に迎え、不朽のディズニー・アニメーション『美女と野獣』を、ディズニー自身が実写映画化した話題作。1991年のアニメーション版に忠実に、その世界観をリアルに掘り下げた本作は、全米を皮切りに大多数の観客の支持を獲得している。

実写化にあたってこだわった点を聞かれたコンドン監督は、「古典で完璧な映画なので、それをなぜ今作るかと言うと、すばらしい音楽などに理由があります」とコメント。「アニメーションは完璧だったけれど、そこにダメージを与えないようにしながら、実写で表現できるものもあるだろうと判断しました。実写ならではの提案としては、キャラクターについて語れると思い、心理描写やバックストーリーを描くために、そういう意味で新しいシーンも誕生しました」と話題になっている新たなシーンについてわかりやすく解説した。

一方、ファンの間では"ディズニー音楽の神様"と評されるアラン・メンケンは、1991年に『美女と野獣』が誕生した当時のことについて、「自分にとって本当にエモーショナルな体験に基づいている作品でした」とコメント。それまでタッグを組んでいた作詞家ハワード・アッシュマのエピソードに触れ、「ちょうど『美女と野獣』をアプローチされた時は、僕たちは『リトル・マーメイド』(89)が完成するくらいのタイミングでした。その時僕は知らなかったけれど、彼は病魔におかされていたんです。余命もないというなかで、彼と『美女と野獣』を作り上げました」と個人的に思い入れが深い作品であることを説明した。

イベント終盤には、昆夏美と山崎育三郎がベルとビーストの衣装で登場して、映画史に残る、あのボール・ルームのシーンを再現するかのように「美女と野獣」日本版デュエットソングを生熱唱! さらにアラン・メンケンによるピアノメドレーまで行なわれ、「朝の風景」「ひとりぼっちの晩餐会」「強いぞ、ガストン」「美女と野獣」「時は永遠に」「ひそかな夢」をメドレーで生演奏するなど、さながらコンサート会場のような雰囲気に包まれた。

感想を聞かれた昆は、「最近でも今日が一番緊張しています。この名曲の数々を作られた方がいるということでナーバスになりましたが、お顔を見た瞬間に楽しみな気持ちに変わって光栄に思いながら歌わせていただきました。アランさんの生演奏も、この方からすべての楽曲が生まれていると思うと、大変うれしくて涙が出ました」と大感激の様子だった。

「緊張しながら歌いました!」という山崎は、小さい頃に『アラジン』と初めて出会った時のこと語り始め、「特に『ホール・ニュー・ワールド』のような美しい音楽に惹かれ、何度も繰り返し観た覚えがあります。そこからディズニー作品が好きになって、お芝居から歌にいく流れにも魅了され、それもミュージカル俳優を目指そうと思ったきっかけなんです。だから僕にとっては、モーツァルトが目の前で演奏しているようなもの! 夢のような気持ちで一緒にステージに立たせていただいています!」と夢の共演に感動していた。

2人のステージを動画で撮っていたというコンドン監督は、「素晴らしかった! 直ちに日本版で『美女と野獣』のリメイクをしなくてはね(笑)。シンプルだが、パワフルな歌声で、すばらしい! お見事でした!」と絶賛! アラン・メンケンも、「2人とも、本当に素晴らしい才能を持っていますよね。すばらしいパフォーマーで、感動して感謝しています」と拍手を贈った。

本作は3月17日に全米4,210スクリーンで公開後、オープニング3日間で1億7千万ドルという3月公開作品の記録を更新。ディズニー・アニメーションの名作を実写化した『マレフィセント』や『シンデレラ』を超える記録で、2017年公開作品でNO.1のヒットを記録中だ。