総合車両製作所(J-TREC)は21日、東京急行電鉄の田園都市線向け新型車両2020系の製造を担当すると発表した。同社製ステンレス車両「sustina(サスティナ)」の「sustina S24シリーズ」の車両となる。2017年度に全30両(10両編成×3編成)を納入予定としている。
「sustina」は総合車両製作所の次世代ステンレス車両のブランド名。第1号車は東急電鉄と共同開発した東横線の車両5050系5576号車で、その後もJR東日本E129系・HB-E210系・EV-E301系・E235系、静岡鉄道A3000形、タイ・バンコクの都市鉄道パープルライン向け車両などを製造している。今後は京王電鉄5000系、東京都交通局(都営浅草線)5500形も「sustina」ブランドの車両として製造される予定となっている。
昨年12月に製造開始が発表された都営浅草線向け新型車両5500形は「sustina S13シリーズ」(車体長18mの3ドア車)の車両だという。今回発表された東急田園都市線向け新型車両2020系は「sustina S24シリーズ」(車体長20mの4ドア車)の車両となる。「sustina」第1号車の5050系5576号車を発展させた車両として、外観においてレーザー溶接によるフラットな車体を実現するとのこと。
東急電鉄は2020系の導入時期を2018年春と発表。その後も順次導入予定としている。デザイン監修は東急線沿線の商業施設などのデザインを手がける丹青社。丸みを帯びたやわらかみのある顔をイメージした先頭形状となり、エクステリアにおけるコンセプトカラーとして「INCUBATION WHITE」(美しい時代へ孵化していく色)を採用した。インテリアは座席や照明も含め、沿線の風景をイメージしたカラーコーディネートにこだわり、座席はハイバック仕様として座り心地を改善する。
その他、東急電鉄では初という空気清浄機「ナノイー」の設置、ドア上と連結部、さらに座席上に3連で配置する液晶ディスプレイによる情報サービス提供および多言語案内の充実化、車内防犯カメラ設置などによる安全性向上が特徴に挙げられる。2020系では車内の全照明と前照灯・尾灯にLED灯が採用され、田園都市線の旧型車両8500系と比べて使用電力を約50%削減。車外騒音も8500系より約10dB低減される。