京王電鉄は16日、新型車両5000系を導入し、2018年春に有料の座席指定列車を運行開始すると発表した。5000系はクロスシートからロングシートに転換できる座席を採用した車両となり、座席指定列車は平日・土休日の夜間帰宅時間帯に運行される。

新型車両5000系の外観イメージ(画像3枚とも京王電鉄提供)

座席指定列車の導入に関して、「勤務先や外出先からのお帰りに際して、長距離区間をご利用になられるお客様の着席ニーズにお応えするため」と同社は説明。平日・土休日の夜間帰宅時間帯、新宿発京王八王子行・新宿発橋本行の列車が運行される。座席指定列車サービスへの投資額は約100億円とされている。

新型車両5000系の製作会社は総合車両製作所で、導入両数は50両(10両固定5編成)。座席指定列車の運行開始に向けて導入され、車体前面のカラーリングに黒を用い、シャープな前面形状のスマートな列車を表現することで、既存車両との違いを明確にする。

座席指定列車として運行する際の車内はクロスシート。その他の列車で運行する際の車内はロングシートに転換される。内装は高尾山の木々の深いブラウンと「繊維の街・八王子」の絹糸をモチーフに華やかな室内空間とし、上質さを演出する。

車内はクロスシート・ロングシートに転換可能

クロスシート・ロングシートのどちらの状態でも画面を見やすいように、ドア上部だけでなく天井部にも液晶画面の車内案内表示器を設置。空気洗浄機や無料公衆無線LAN、電源コンセントなど、快適性向上のための各種装備も搭載する。車いすスペース・ベビーカースペースも各車両に設置される。

消費電力の削減も図られ、LED照明や新型VVVFインバータ制御装置をはじめ、新技術となる車上蓄電池システムも導入された。車両に蓄電池を搭載し、ブレーキをかけたときに発生する回生電力を充電、電車が走行する際の電力として供給するシステムで、回生電力の利用効率を高め、走行電力のさらなる削減を図るとともに、停電時に橋りょうなどの場所から自力走行で移動させることも可能になるという。