口唇炎は基本的に自然治癒するが、症状が重症化した場合は医療機関で治療を受けた方がよい。治療はワセリンなどの保湿剤やビタミンB2、B6のビタミン剤、抗炎症用のステロイド配合軟こうなどを用いて行っていく。リップなどが原因となる接触性口唇炎の場合は、当該製品の使用を控えて別の製品に替えることで自然治癒を促すようにする。

「口唇炎の症状にもよりますが、ステロイド薬を3~5日間にわたり塗った後、ワセリンを2週間ぐらい使ってみて、トータルで3~4週間ぐらいで良くなるようならば問題はないと思います」

1カ月ほど様子を見て経過が良好なようであれば、普段使いしている口紅やリップの使用が可能になる。ただし、これらの製品が口唇炎の原因になっている場合は、使用はもちろんご法度。パッチテストの反応をみたうえで、特定の成分が含まれているルージュなどを使うのは控えるよう、患者に伝えるケースもあるという。

「ナビジョンDR モイストリップクリーム」はSPFだけではなくPAにも対応

まずは身の丈に合った予防から

近年は紫外線対策の一環として、SPFを表示したリップクリームも数多く販売されており、中には高い効果を期待できる医療機関向け化粧品もある。普段使いするリップをSPF表示のあるものにしておけば、手軽に夏場の口唇炎発症リスクを低減できるメリットがある。

度々口唇炎に悩まされるという人は、発症の原因を突き止めたうえで自身が負担に感じない範囲から予防・対策をしていくのが賢明なやり方と言えそうだ。


記事監修: 服部英子(はっとり ひでこ)

東京女子医科大学卒業。皮膚科専門医。日本皮膚科学会、日本レーザー学会、日本臨床皮膚科学会、日本アレルギー学会に所属。大学卒業後に東京女子医科大学病院やJR東京総合病院の皮膚科に勤務した後、2005年より南青山皮膚科 スキンナビクリニックの院長を務める。