『アイドルマスターミリオンライブ!』のCD「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER FORWARD 02 BlueMoon Harmony」発売記念イベントが2017年2月19日、首都圏近郊某所で開催され、ユニット・サジタリアスより真壁瑞希役の阿部里果、舞浜歩役の戸田めぐみ、所恵美役の藤井ゆきよ、ユニット・アクアリウスよりジュリア役の愛美、高山紗代子役の駒形友梨、北上麗花役の平山笑美が出演した。
今回のイベントの進行役は、ミリオンでは初司会だという駒形が担当。初の役回りに緊張もあった様子だが、駒形がつかみのネタとして自身のあだ名(ベイブレード先輩)と会場名を掛けたギャグを昼公演に続き披露すると、藤井から「(スベることをおそれない)ハートが強い!」との賞賛を受けていた。さて、CD「LIVE THE@TER FORWARD」(以下、LTF)シリーズは、3月10日~12日に開催される日本武道館3DAYSライブ「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!!」のために用意されたもので、「LTF02」には3月11日に行なわれる「DAY2 BlueMoon Theater」の出演アイドルが参加している。
日本武道館のために用意されたそれぞれのユニットについて、藤井は自分たちサジタリアスの人選は意外とした上で、「(アクアリウスは)歌唱力モンスターで固めてきた」と表現。アクアリウスの3人もユニット的に求められているものがボーカル力であることは察しているようで、「(メンバーを聞いて)無理」「私(曲が大変すぎて)死ぬんだなと思った」「この3人で歌うと聞いて、息(継ぎ)はできないと思った」と端的な言葉で、ハードルの高さへのプレッシャーを語っていた。
一方、サジタリアスが歌う「Raise the FLAG」は、力強く煽りながら会場と一体に盛り上がる攻めのナンバー。阿部が演じる真壁瑞希のベースはゆったりした独特のテンポだが、この曲に関しては「かっこいい曲が好きだから嬉しい」ときっぱり。藤井も「阿部里果はかっこいい曲が似合うと思っていた」と太鼓判を押した。戸田はこの曲での自分と藤井の声が聴き間違えるほど似ているエピソードを話していた。
ドラマパートに関するトークでは、サジタリアスの3人の息がいかにぴったりだったかが話題に。戸田が「(3人が)楽しそうだから、いいや!」とスタッフからすぐにOKが出たことを明かすと、アクアリウス組もユニット力の強さに感心した様子だった。
恒例のディベート対決のコーナーでは、ユニット名の由来である弓矢と水瓶のどちらが役に立つかがテーマ。「ライブの楽屋に持ちこむならどっち」「はじめてのデートに持っていくなら?」「我が子がはじめてのお使いの時持たせるなら」というお題で、一対一のチーム対抗ディベートを行った。
「ライブの楽屋に持ちこむならどっち」のお題では愛美と戸田が対決。先攻の戸田はマイクがない時に棒(弓矢)を使うというやや苦しい答え。一方の愛美は、のどのためにはハチミツがほしい、だから必要なのはそれを入れるつぼ(水瓶)という、普通に考えたら盤石の答え。だがここで奇跡が起こる。昼の部のディベート対決の賞品は水瓶にちなんだ水飴だったのだが、戸田は勝利した(愛美たち)アクアリウスチームが水飴の扱いに困って自分(戸田)のスペースに放置していたエピソードを持ち出すと、どの口でハチミツ壺の大切さを語るのかと一喝! サジタリアスチームが見事なカウンターパンチで勝負をひっくり返し、先勝した。
「はじめてのデートに持っていくなら?」のお題では駒形と阿部が対決。駒形はデートに水瓶に詰めたお弁当を持っていくというチョイスで、華奢さと水瓶を持ち歩くワイルドさのギャップをアピールした。一方の阿部は弓矢は水瓶を割れる、とまさかの物理攻撃を主張したが、駒形が「まずデート相手が弓矢を持ってきたら、殺されるのかなって思うよね」と、非常にもっともな彼氏サイドの心情を代弁して勝負あり。アクアリウスチームが勝負をタイに持ちこんだ。
最終戦、「我が子がはじめてのお使いの時持たせるなら」のお題では平山と藤井が対決。前2組のメンバーが反射神経でぽんぽんと言葉を出すことに「なんでみんな何も考えずに話せるの?」と驚いていた藤井だったが、自身もノリで話そうと思った結果か、何かスイッチが入った様子。子供に弓矢を持たせて初めてのアヒル狩りに行かせ、自分は心配だから物陰から外敵を弓矢で射るという、狩猟民族かな? という解答を繰り出した。横で聞いていた愛美から「ゆきよさん、考えて話さないとだめだよ」ともっともなツッコミが入っていたほどだ。一方、平山は「我が子への試練として水瓶を背負ってもらう」という、ライオンのごときハードモードの答え。だが平山は水瓶が空洞であることや、中に何かを詰められることを力説していたところで、なんとまさかの時間切れ。「何か」を明かせないまま終了となった。
いずれもやや迷走気味な決着戦に、会場の歓声と拍手による投票は2回繰り返しても明確な甲乙つけられず。さて困った……というところで、愛美が「水瓶の中身を言って、それで決めたら?」と一言。平山が「アヒル!」と叫んだ結果最終投票はアクアリウスチームの勝利となったのだが、投票の決め手は場が停滞しかけた時に愛美が水瓶の中身を明かすよう促した時の会場の(それ! (が聞きたかった!))という空気だったような気がする。今日の愛美は周りを見ながらここぞというタイミングで的確な一言を放りこむ役まわりで、実に楽しそうだった。
ミニライブでは、まずはそれぞれのユニット曲を披露した。サジタリアスのユニット曲「Raise the FLAG」は攻めの楽曲に対する会場の圧倒的なコールが印象的で、この曲は客席とセットで成立する楽曲だと実感。日本武道館がひとつになって拳を突き上げる光景が楽しみになった。アクアリウスのユニット曲「待ちぼうけのLacrima」は、冒頭の藤井の「歌唱力モンスターで固めてきた」という言葉は決して誇張でなかったことを肌で実感するステージ。3人が3人ともCDでの素晴らしさを軽く越えるパフォーマンスを叩き出した上で、それがシンクロした時の爆発力は圧巻だった。
ラストはもちろん、アルバム全員曲の「brave HARMONY」。ユニットたちが持つ個性が響き合う壮大な楽曲だが、今日ステージに立っているのはサジタリウスとアクアリウスというとびっきり強烈な個性。青の12人全員が揃う日本武道館でしか聴けないであろうハーモニーがあるように、今日このメンバーでしか体験できない強い個性の調和の形が、たしかにそこにあった。