不定期に狙いたいテレビ東京

――話題の3番組に出られて、実際にテレビ東京さんの印象を教えてください。

一言で、すごいなと思います。中途半端な企画がないですよね。視聴者としてもそう思っていましたけど、関わってみたらなおさら思いました。この3企画、よく通しましたよね。

いろんな制約もあるでしょうけど、必ず放映するのもすごい。当たり前ですけど(笑)。そういった受け皿がないと俳優は仕事がないわけです。今、テレビ東京の関係者の方々に囲まれていますけど、これからもコンスタントなら最高。不定期に出演できたらなお最高です(笑)。聞こえましたか、僕を囲んでいるテレビ東京の関係者の方々(笑)。

――皆さん、証人になってくださると思います。

僕はシンプルに芝居がしたいんですよ。実はテレ東出演を狙ってる役者は多いんじゃないですか? だって、楽しそうですもん。

俳優としての考え方の変化

――今現在、お仕事について心がけられていることはありますか?

人生設計やヴィジョンは持ってますけど。とにかく僕、人に見られたいんですよね。もちろん芝居をという意味ですよ。それが映画のスクリーンで成立することもあるでしょう。これは池松くんから聞いたんですが「僕らの年代はシネコン世代なのでミニシアターに行くことに抵抗があるという人がすごく多いですよ」と。もちろん池松くん本人は垣根なく見たい作品に足を運んでいるみたいですが。

「見られたい」というのはスクリーンでもテレビでも舞台でもなんでもいいんですけど、やっぱりお客さんの目による研磨が、何よりですから。何も知らない人が「何この人」とか「下手くそ」とか、「この人かっこいいね」と見てくれるようなところに立ちたいんです。だから最近は、もし監督が喜んでくれなくても、お客さんが喜んでくれたらいいやという方に比重がありますね。「お客さんが、一番大事じゃん」と思います。

――2017年は特に、テレビ東京の深夜ドラマ、WOWOWの『北斗-ある殺人者の回心-』といった重めの作品、BSスカパー!ドラマ『バウンサー』といったアクション作品、少女漫画原作の映画『PとJK』など様々なタイプの作品に出られていますが、何かお仕事の基準はあるのでしょうか?

選んではいないんです。スケジュールの交通整理ができる限り、オファーを頂いた順に受けています。20代の頃は、全くスケジュールを縫わず、1作品1作品やっていました。30代になったときに、2作品同時にやろうと思いました。挑戦として、2つのキャラクターを同時にやってみようと。そして40代は、何でもいっとけ! という感じになっています。

50代は、さらにたくさん同時に演じたいですね。それくらいスイッチがないといけないし、もっと言うと、それくらい需要がある俳優でいたい。だったらお客さんに届くように行動しないと、と思っています。

『銀と金』 (C)テレビ東京

――年齢によって考え方が変わってきたというところがあるんですね。

すごく新しくて実験的なことをやったとしても体が変わらないんだから、そんなに斬新なことになるわけじゃないんです。でも見た人は「ちょっと違うな」とか、再発見してくれることもあるかもしれない。そのフィールドを用意してくれるのは、テレ東深夜さんなので、僕はしばらく出たいなと思っています。村上淳という俳優は、「ここからここまでしかないよ」という幅を取っ払っていきたいですね。

もしかしたら、5~6年後には幅を作っているかもしれません。でも『銀と金』や『バイプレイヤーズ』をやっている時に、リリーさん、エンケンさん、トモロヲさんと一緒に演技をして、「かなわないな」と思ったら、もうやるしかないでしょう。家でうだうだ考えたりとかじゃなくて外に出て、それがどんな現場であれ、実践してお客さんの賛否を受けようって覚悟は必要ですよね。

――今回の3作品は、それくらい大きなお仕事だったんですね。

いや、大きかったですね。たまたま続いたんですけど、たまたまって本当は望んだものしか来ないじゃないですか。僕も事務所に、しばらく前から「テレ東の深夜に出たい」と伝えていましたし。

ただこれだけ叶っちゃうとしばらくないんじゃないかなと。不安になりますね(笑)。「やりたい」と言ったら生意気なようですけど、出させてもえるんだったら是非今後も出たいです。