『VS嵐』『カインとアベル』など、フジテレビの番組で使用されるセットが展示される「フジテレビ セットデザインのヒミツ展」が24日、神奈川・横浜市の放送ライブラリーで開幕した(4月9日まで、入場無料)。バラエティやドラマの実物セットはもちろん、それができ上がるまでの過程までを公開。本記事では、同展の見どころを紹介する。

『VS嵐』の「ローリングコインタワー」


エントランス

この展示会は、単に番組セットの実物を見せるだけでなく、テレビ美術のデザイナーがどのように発想し、それがどのように組み立てられて具現化していくかを紹介。エントランスでは、バラエティ番組『そんなバカなマン』(毎週日曜25:00~)で使われる"バナナ"の巨大オブジェとともに、デザイナーが想像したイメージが、形になっていく様子が表現されている。

デザイナーの頭の中からどんどん図面が湧き出し…それがバナナのオブジェへ

発泡スチロールが使用されているが、こちらのオブジェには、MCのバナナマンとバカリズムの3人が座れるようにするため、コーティングを施して強度を高める。それでも軽い素材のため、組み立て式でロケ先にも持ち運べる仕様だ。


バラエティ&音楽番組コーナー

まず登場するのは、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(毎週木曜21:00~)の「モジモジくん」。マネキンで、デザインの「デ」が表現されているが、実際には人間がよじ登って使用するため、安全を考えてとても頑丈な作りだ。前身の『―おかげです』から続く長寿コーナーであり、何度も塗装を繰り返しているが、それでも年季が伝わってくる。


『VS嵐』(毎週木曜19:00~)のローリングコインタワー(左)と、「マッチョ君」の頭部分。

『VS嵐』ブースでは、セットのアイデアをデザイナーが会議でプレゼンするホワイトボードを再現。演出や大道具スタッフなどとディスカッションしながら、アイデアを次々に展開させている様子が伺える。細かい装置からロゴのデザインまで、範囲は多岐にわたり、新たなゲームも続々と登場することから、『VS嵐』はデザイナーとしてもやりがいを強く感じる番組だそうだ。

こうしてイメージ図ができ、図面に起こされ、セットが完成。ここでは「ローリングコインタワー」「クリフクライム」「バンクボーリング」などのイメージ図や図面が紹介されている。


『IPPONグランプリ』の優勝トロフィー。アクリル製だが、そこそこの重さだとか。

『人志松本のすべらない話』のサイコロ。回を増すごとに面が増えている。

『FNS歌謡祭』のセット模型。グランドプリンスホテル新高輪「飛天」に2つのセットを建てるが、間の客席に座るアーテイストたちが双方のステージを見やすいように、ホテルのイスではなく、オフィス用の回転チェアーに白い布をかけて使用するという工夫も。

『やっちまったtv』で松本伊代が着ている衣装。テレビ業界では分業化が進んでいるが、セットデザイナーが衣装もデザインすることで、番組全体のブランディング構築ができるという効果がある。