東武鉄道は16日、亀戸駅にてグリーンの車体に白帯の塗装を施した8000系リバイバルカラー車両の出発式を開催した。昭和30年代の「標準色」を再現したリバイバルカラー車両とともに亀戸線などで運行予定。愛称を「緑亀」とすることも発表された。
亀戸線で2編成目となる8000系リバイバルカラー車両は13時27分頃、亀戸駅2番線ホームに入線。出発式では東武鉄道亀戸駅長の落合正士氏が挨拶し、「このカラーは昭和33年頃、東武鉄道の通勤車両の塗装色を変更する際、当社社員や鉄道友の会会員で人気投票を行い、オレンジに次ぐ上位人気となったものです。昭和の懐かしさが残るこの車両は、下町情緒あふれる路線として親しまれる亀戸線にマッチするものだと思います」と述べた。
昭和30年代に新造された通勤車両7860型のうち、このグリーンに白帯の塗装を施した車両は4両のみ。オレンジ、グリーン、ベージュなどを基調色とする4種類のカラーリングが考案され、試験塗装車両として1958(昭和33)年頃から約1年間運行された後、汚れの目立ち方や長期使用後の色の劣化、耐久性(メンテナンス効率)なども考慮した上で、最終的にオレンジを基調としたカラーリング(インターナショナルオレンジの車体にミディアムイエローの帯)が通勤車両の「標準色」に決定したといわれている。
1964(昭和39)年頃までに姿を消したという「標準色」は昨年リバイバルされ、亀戸線で運行開始。好評を受け、新たなリバイバルカラー車両が導入されることになった。「標準色」リバイバルカラー車両(8577・8677)と同じく8000系1編成(8568・8668)を使用し、当時の塗装を再現している。なお、当時の帯色はサブウェイクリームだったが、リバイバルカラー車両ではジャスミンホワイトを採用したとのこと。より亀戸線に愛着を持ってもらうため、「緑亀」の愛称も付けられた。
出発式の途中、営業運転を行う「標準色」リバイバルカラー車両が亀戸駅1番線ホームに到着し、8000系リバイバルカラー車両2編成が並ぶ場面もあった。「緑亀」車両の初運行は地元園児たちを乗せた臨時列車で、出発式では園児を代表して5名が東武鉄道の制服を着用して登場。亀戸駅長の落合氏らと記念撮影を行った。園児らは発車時刻まで、車内で「かめすくい」(おもちゃの亀をすくう遊び)を楽しんだ。
「緑亀」車両は落合氏による出発合図の後、13時58分頃に亀戸駅を発車。20分弱かけて亀戸~曳舟間を往復した。なお、同車両は亀戸線で当面運行される予定だが、車両運用の都合により、大師線西新井~大師前間で運行される場合もあるとのことだ。