――10月クールを振り返ると、ドラマは『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』が好調でした。
「女性が共感するお仕事ドラマ」という水曜22時ドラマの枠のイメージにしっかり合った企画で、バラエティ出身の小田玲奈プロデューサーが、『家売るオンナ』から2作品連続でヒット作を生み出しました。バラエティで培った「世の中の空気を敏感に察知する力」を生かして、視聴者ニーズに合った面白さを塗しながらドラマにうまく落とし込んだ成果だと思います。
――そして、1月からまた新たなドラマが始まり、好スタートを切りましたね。
水曜22時は『東京タラレバ娘』で、吉高由里子さんが朝ドラ以来2年ぶりの主演を務めています。原作もすごく売れているコミックで、アラサー独身女性のリアルストーリーはこの時間帯の視聴者層をしっかり掴み、初回13.8%と高い支持を得ることができました。
土曜21時は『スーパーサラリーマン左江内氏』で、ちょっと今までの土曜ドラマとは違う攻め方をします。藤子・F・不二雄さんの原作を元に、人気クリエイターの福田雄一さんが脚本・演出を手掛け、堤真一さんと小泉今日子さんという豪華な役者さんが演じるという試みです。初回12.8%と高視聴率を獲得しました。
そして日曜22時30分は『視覚探偵 日暮旅人』。金曜ロードSHOW!枠で2時間スペシャルをOAし、13.5%の高視聴率をとった作品の連続ドラマ化です。非常に企画性も立っていて、久々に堤幸彦監督が日本テレビで連続ドラマをやるので、男性も含めて幅広い層に楽しんでもらえる作品になると期待しています。
――年末年始の特番も、定番の番組が安定して視聴率を獲得されていました。
大みそかの『ガキの使い』や、1日の『TOKIO×嵐』、2・3日は『箱根駅伝』と、高視聴率を記録しました。定番ということで言えば、8月の『24時間テレビ』だけではなく、5月には笑福亭鶴瓶さんをメインにした「7daysTV」、11月には上田晋也さんがキャプテンを務める「カラダWEEK」というキャンペーンもやりました。
1週間飽きずに日テレを見ていただくために「習慣日テレ」をキーワードとして週間の編成をしていますが、1年間のタイムテーブルの中でも、この時期にはこの特番、このウィークというように、年間でも「習慣日テレ」で視聴者の皆さまに楽しんでもらいたいです。
――4月改編で、土曜21時台のドラマ枠と22時台の『嵐にしやがれ』を入れ替えることを発表されましたが、ここもやはり、縦の流れを意識した改編なのでしょうか。
はい。各番組の特性を考えて総合的に判断しました。
――ますますタイムテーブルは盤石の印象ですが、課題はありますか?
ドラマのようなストック型コンテンツや、鹿島アントラーズの活躍で決勝戦が26.8%と驚異的な視聴率を記録した『サッカークラブワールドカップ』もそうでしたが、1つのコンテンツを、地上波に加えてBS・CS・Huluといったさまざまな伝送路でどう多角的に展開していくのが良いのか…コンテンツによって最適解はまったく違ってきます。総合的なメディア編成が問われる時代への対応が最重要ポイントだと認識しています。
(視聴率の数字は、ビデオリサーチ調べ・関東地区)