野村総合研究所は12月15日、訪問留置法で金融意識や金融行動を尋ねた「NRI生活者1万人アンケート調査(金融編)」の結果を発表した。調査期間は2016年8月~9月、有効回答は18歳~79歳の個人1万70人。
ポイントでの支払いが倍増
おおむね2000年以降に普及が始まった「新しい金融サービス」について、2013年から2016年にかけての利用率の変化をみると、「ポイントでの支払い」は21%から40%とほぼ倍増。また「電子マネー」は18%から29%、「ネットバンキング」は18%から21%に増加したことがわかった。
他方、「コンビニATM」は36%から37%と普及率は高いものの、伸び悩んでいることが判明。このほか、「ダイレクト自動車保険」「オンライントレード」「デビットカード」「ネット生保」は利用率が各1割未満にとどまった。
「主なFinTechサービス(情報技術を活用した新しい金融サービス)への関心度」は、1位「家計簿アプリ」(29%)、2位「テレマティクス保険(車載機器で取得される運転情報に応じた保険料設定の自動車保険)」(12%)となり、それ以外のFinTechサービスへの関心度は1割未満にとどまった。
「家計簿アプリに対するイメージ」を聞くと、肯定的な印象では「家計の効率化や無駄の発見につながりそう」(38%)、「家計の節約の励みになりそう」(26%)となった。
一方、否定的な印象では、「アプリやソフトの使用は面倒だ」(36%)、「データの消失や流出が心配だ」(31%)などが上位にランクイン。同社は「操作の煩わしさや、利用にまつわる不安という心理的なハードルが存在している」と分析している。
また同調査では金融リテラシーが高くなるほど、新しい金融サービスの利用率やFinTechサービスへの関心度が高まることが判明。同社は「金融リテラシーの向上が新しい金融サービスやFinTechサービスの普及・促進の鍵になる」と分析している。