大食いに自信がある者なら、誰しも一度は「デカ盛りを挑戦して賞金をもらってやる」と考えたことだろう。食べて胃を満たし、懐も暖まってしまうなんて最高じゃないか! そんな甘い考えを持った筆者が今回、JR高田馬場駅から徒歩6分のところにある「旨辛ラーメン 表裏」で「メガ盛り CHALLENGE」に挑戦してみた。
同店のうりは、野菜を高く盛ったいわゆる"二郎系"ラーメンに、辛味のきいたあんかけを合わせ、そこに巨大な唐揚げをのせた「あんかけDX」。パンチのきいた肉厚の唐揚げ、刺激的な辛味、メガ盛り級の野菜と麺が同時に押し寄せてくるパワフルなメニューだ。
これだけでも十分ボリュームがあるが、今回挑戦するのはその比ではない。挑戦するのは、「麺4玉」「メガ唐4枚」「もやし4kg」「スープ700cc」の総重量約7kgのチャレンジメニューだ。同商品を20分で食べきったら賞金5万円、30分で食べきったら賞金3万円がもらえる。具材はもちろん、スープまで飲み干さなければならない。
白飯なら4合は食べられて、大食いには多少自信のある筆者。前日の夜は消化によいもの、朝食は胃に負担をかけないお茶漬けを食べ、準備は万端どころか、店舗に行くまでは「もしかしたら完食しちゃうかもなあ~、5万あったらタイとか行けちゃうなあ」と愚かなことまで考えていた。
まず挑戦する前に、ルールを説明される。「チャレンジ中の離席禁止」「ご友人のサポートは一切禁止」「無理なチャレンジで体調を崩されたなど、当店は一切の責任を負いかねます」などと書かれており、話を聞いているうちに少し恐怖を覚えたが、賞金にかける思いは揺らがない。賞金で年末にタイのプーケットに行こう。
ルールを聞いたということで、署名をして待つこと5~10分。運ばれてきたのがこの化け物だ……。
直径が約25cmある丼に大量のもやしが約15cm盛られている。全体の高さは30cmといったとこだろうか。そして丼のふちに沿って、長さ10cm弱の唐揚げ16枚がぐるっと並べられていた。重さは約7kgあるそうで、持ってくる店員の腕には血管が浮き上がっていた。
同店の麺類は辛さの選択が可能で、辛さなしからピリ辛、鷹の爪、極辛とランク付けされている。今回の挑戦で筆者は「ここでピリ辛を選択したら、弱腰になったと思われてしまう」というプライドのようなもののせいで、極辛を選択してしまった。モヤシの山のてっぺんには唐辛子が大量にまかれており、顔を近づけただけで熱い。これを完食したらどうなってしまうのだろうか。
食べ方を聞いてみると、もやしと唐揚げを別の器に移して先に麺を食べてしまう人が多いとのこと。早速移し変えてみたが、一向に麺が見えない……。底知れない恐ろしさに襲われ、ひと口も食べていないのに心が折れかける。
なんとか掘り起こすことができた麺は、もっちりとした中太麺でぷつりと切れやすい。スープはとんこつ醤油ベースだが、唐辛子が溶け込んで尋常じゃない辛さだ。しかしあっさりとしているせいか、舌がしびれても食べたいと思う味だった。トッピングの唐揚げは衣が薄くパリッとした食感だが、スープを染みこませると刺激のあるしっとりとした具材に変わる。
なんとか麺にたどりつくことができても、モヤシの山を食べなければ意味がない。ひたすらに食べ進めていくが、辛くて思うように減っていかない。もやしと唐揚げで胃が苦しくなってきたところで、20分が経過してしまった。賞金5万円は手に入らず、というよりも30分以内に完食・完飲は無理じゃないか!?
それでもあきらめまいと奮闘したが、あっという間に30分が経過。辛さと量でもう胃ははちきれそうだ。結局時間内には6分の1程度しか食べることができなかった。
この「メガ盛り CHALLENGE」は3年ほど実施しているが、時間内に完食・完飲できた人は9人しかいないそうだ。ほとんどの人が挑戦して、筆者のように負けてしまった人の方が多いとのこと。しかし完食できれば、大食いに自信があると豪語できるだろう。挑戦料が税込3,000円と少々勇気がいるが、夢のある挑戦だったので自信がある人はぜひとも試してみてほしい。
また「大食いしたいわけではなけど、辛いラーメンが食べたい」や「ちょっといつもより量が多いラーメンを食べたい」という人には、通常の「あんかけDX」などの野菜増量は無料なのでそちらも味わってみてほしい。
同店の営業時間は11時~23時(ラストオーダーは22時30分)。「メガ盛り CHALLENGE」に挑戦したい人は、前日の15時までに事前予約が必要。