お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志がこのほど、プレゼンターを務めるAmazonプライム・ビデオの新作バラエティシリーズ『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(30日配信開始、全4話)の取材に応じ、地上波では成立しにくいシンプルな構成に手応えを見せた。

ダウンタウンの松本人志

これは、1人100万円の参加費を払った10人の芸人たちが、密室で行う"笑わせ合いバトル"。6時間の制限時間で笑いを仕掛け、笑いに耐え、最後まで残った1人が、賞金1,000万円を獲得するというルールで、宮川大輔、藤本敏史(FUJIWARA)、くっきー(野性爆弾)、ハチミツ二郎(東京ダイナマイト)、久保田和靖(とろサーモン)、斎藤司(トレンディエンジェル)、アントニー(マテンロウ)、川原克己(天竺鼠)、ジミー大西、大地洋輔(ダイノジ)の10人が参戦する。

松本は、普段出演する地上波のバラエティについて「どうしても老若男女の皆さんに楽しんでもらわないといけないということで、いろんな要素も入れないといけない」と実感を語った上で、「無駄な部分や、ぜい肉を削ぎ落として、本当に面白いことだけができるような場所を探していたところだったので、わりとバシッとうまくハマったかな」と、Amazonプライム・ビデオで配信することに、手応えを感じている様子だ。

その通り今回は、芸人たちが笑わせ合うという極めてシンプルなルール。「ケチャップ味にしたり、マヨネーズをつけたり、ちょっと調味料のようなものが、やっぱりテレビでは必要なんですけど、この番組に関してはそんなことを一切考えず、素材のうまさだけでどれだけ勝負できるか」と狙いを語る。

笑いのメカニズムを研究しながら、事前にネタなどを一生懸命考えるという手法がある一方で、「予期せぬところで、ちょっとつまずいただけで笑ってしまうみたいな、そういう笑いも決して無視はできない」との考えを示した上で、「本当に面白い人間ってどんな人間なんだろうというのを見てみたい。そういう意味では、実験的なことができそうな気がする」と、今回の配信に期待を込めた。

しかし、地上波に規制があること自体に否定的なわけではないと強調し、「放送禁止用語があるのは、そんなに悪いことじゃないと思っていて、何でもかんでも良いよってなると、意外とお笑いってやりづらかったりするんです」と持論を展開。「下ネタもギリギリをかいくぐるみたいなところだったり、多少首輪が付いてる方が面白かったりするんです」と、経験からの傾向を語った。

『ドキュメンタル』は、まずは国内での配信となるが、今後は海外でも視聴可能となる予定。松本は、日本テレビ系の『笑ってはいけない』シリーズを例に挙げ、「あれは外国人の人が見たらなんとなくは分かっても、細かいニュアンスは伝わりにくいかなと思う」といい、それと比較して今回は「言葉の壁は関係ないかな」と、世界に通用するコンテンツになることを示唆した。

配信は30日からだが、「ここから足し引きできる要素はあったので、もうちょっと進化していく可能性は感じました」と、早くも改善のアイデアが浮かんだ模様。『ドキュメンタル』は「ドキュメンタリー」と「メンタル」を組み合わせた造語だが、この2つの要素をベースに新たな企画を展開していくことにも意欲を見せた。