銀座ソラリアクリニックはこのほど、名古屋大学 顎顔面外科学・上田実名誉教授の「乳歯歯髄幹細胞培養上清液」に関する研究論文から、ED向けの治療法「SHED-CM」を新たに開発したことを明らかにした。

現在のED治療の現状

ED(Erectile Dysfunction)で悩む人は年齢を重ねると増える傾向にあるが、近年では生活習慣病の多様化や社会的ストレスの増大などにより、40歳以下の男性にも患者が増えていると推測されているという。2000年頃から効果的な飲み薬が登場したが、副作用の恐れがあることや対症療法であることから、新たな治療法の開発が期待されている。

このほど同クリニックが開発した「SHED-CM療法」は、これまでの治療法では難しかったEDの根本的な治療を実現する治療法。最先端の「再生医療」に着目したもので、治療には乳歯歯髄幹細胞を培養する際に生成される上澄み液「培養上清液SHED-CM」を使用する。

培養上清液は損傷した組織の修復や、組織を保護する機能を持ち合わせ、最終的には自己の幹細胞とともに臓器を再生させることが実証されている。局部注射で「培養上清液SHED-CM」を投与することで、内皮細胞の再生を促し、EDの根本治療が可能になるとのこと。

内皮細胞の再生を促し、EDの根本治療が可能になる「SHED-CM療法」

また、細胞の働きを活性化させ、血管の若返りを促す「自己再生能力」を引き出す働きもあるという。移植の必要がなく、より安全で比較的安価なコストで治療できるのもメリットであるとのこと。

EDのように加齢に伴う病気は、発症前の無症候期に一定の病理学的な変化が既に起こっていることが多く、これまで根治することが難しいといわれてきた。しかし近年では、疾患の進展の指標となる個人の遺伝子、mRNA、タンパク質、代謝産物、画像などのバイオマーカーを用いて病気の発症前に発症を予測することができるようになっている。

同クリニックは「今回開発した『SHED-CM』を使った予防的な治療は、病気の発症を遅らせる『先制医療』にもつながると考えられる」としている。