「契約者」「被保険者」「保険金受取人」ってどんな人?

保険に加入するときには、契約者と被保険者、保険金受取人という3人の名義が必要になります。「契約者」とは保険の契約をする人のことで、通常は保険料を負担する人を指します。「被保険者」はその保険をかけられる人、そして「保険金受取人」は文字通り、被保険者に何かあったときに支払われる保険金を受け取る権利がある人のことです。

死亡保障の保険では、自分で保険料を払って自分に保険をかけ、配偶者や子供に保険金を渡すという形が多いので、契約者と被保険者が本人名義、保険金受取人を配偶者や子供名義にするというのが一般的です。医療保険など生きている間に保険金(給付金)などを受け取ることがメインの保険では、すべて自分名義にする形が通常です。

ただ、学資保険など一部の保険では、契約者に万一のことがあったときに以後の保険料を免除するなど、契約者を誰にするかによって保障を受けられる人が変わる場合もあります。また、保険金にかかる税金の扱いも違ってきます。ですから加入するときには、それぞれの名義を誰にするのかしっかり内容を確認した上で決めることが大事です。

「共済」と「保険」の違いは?

保険と同じように死亡や病気に備えられる商品で、「共済」というものもあります。これは協同組合などが扱っているもので、営利目的でないことから手ごろなコストでさまざまなリスクに備えられるのが特徴です。

少ない負担で最低限の保障を確保したいという人には、この共済も選択肢のひとつとして検討の余地があります。保険と共済では商品の仕組みも基本的なところは同じなので、保障内容と保険料(掛け金)負担のバランスなどを比較しながら選ぶといいでしょう。

ただし、保険と共済には用語の違いがあります。保険では契約者が払い込むお金を「保険料」といいますが、共済ではそれを「掛け金」と呼んでいます。他にも「保険金」は「共済金」、「解約返戻金」は「解約割戻金」など、使われる言葉が違ってちょっと戸惑いますが、それぞれ意味は同じです。

ふだんあまりなじみのない用語がたくさん出てくると戸惑ってしまいがちですが、大切な保障をきちんと確保するためには、保険について最低限の用語知識を身につけておくことが不可欠です。

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堀内玲子
ファイナンシャルプランナー。証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て93年に独立。96年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別 ライフスタイル別 生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。