預金口座から即時引き落としで買い物でき、クレジットカードで払える店のほとんどで使えることから、近年急速に普及している国際ブランドつきデビットカード。現在は約20の銀行から発行されており、その特徴もさまざまだ。どのカードを持つべきかは、使い道や目的によって異なるため、比較対象として知っておいてほしい6枚のカードを2回に分けて紹介する。
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■楽天銀行デビットカード(JCB)
楽天銀行はVisaとJCBのデビットカードを発行しているが、ここで紹介したいのはJCBのほう。16歳から申込可能で、年会費は無料。還元率はデビットカードとしては最高水準の1%となっており、1回のショッピング利用100円につき、1ポイントの楽天スーパーポイントが貯まる。海外利用時の為替手数料は3.024%。
利用限度額は預金の範囲内だが、1日あたりの限度額を1,000円単位で設定することも可能。使わないときはカードにロックをかけることができ、海外利用に対してのみロックできる機能もある。不正利用の被害に遭った際は、楽天銀行が報告を受けた日から30日前以降、報告を受けた日から60日後までの91日間に発生した損害について、1口座当たり年間100万円まで補償を受けられる。
■スルガ銀行リクルートポイント付きVisaデビットカード
Visaブランドで高還元率のデビットカードは、スルガ銀行リクルート支店の「リクルートポイント付きVisaデビットカード」。中学生を除く15歳から申込可能で、年会費は無料。毎月のショッピング利用合計額に対して、0.8%のリクルートポイントが貯まる。海外利用時の海外事務取扱手数料(為替手数料等)は3%。また、同カードで購入した商品の破損・盗難などによる損害を購入から60日間、年間30万円(1事故につき自己負担額5,000円)まで補償するサービスが付帯されている。
利用限度額は預金の範囲内だが、1日・指定期間内の利用限度額を1万円単位で設定することも可能(あらかじめ初期設定あり)。不正利用の被害に遭った際は、スルガ銀行へ報告した日から61日前までさかのぼり、その日以降に発生した損害について、故意または重大な過失があった場合を除き、補償を受けられる。
■りそなVisaデビットカード(JMB)
りそな銀行の「りそなVisaデビットカード(JMB)」は、利用に応じてJALのマイルが貯まる。15歳から申込可能で、初年度年会費は無料。2年目以降は年会費1,080円(25歳以下は無料)だが、年に一度でもショッピング利用があると500マイルのプレゼントがある。
毎月のショッピング利用に対しては、200円につき1マイル。JALグループの航空券をJALカウンターまたはJALホームページから購入した場合は、200円につき2マイルとなる。海外利用時の為替手数料は2.5%。同カードを利用して、海外で購入した商品の破損・盗難などによる損害を購入から90日間、年間50万円(1事故につき自己負担額5,000円)まで補償するショッピング保険を付帯している。
利用限度額は預金の範囲内、かつ1日あたり50万円まで。不正利用の被害に遭った際は、りそな銀行へ報告した日から60日以内に発生した損害について、年間で最大150万円まで補償を受けられる。
以上、今回は3枚のデビットカードを紹介したが、クレジットカードのような審査があるわけではないので、複数枚を使い分けても問題ない。後編では特定の利用シーンで強さを発揮するカードを紹介する。
※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>
タナカヒロシ(ライター・編集者)
普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月7日発売の『最強クレジットカードガイド2016 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。