三菱航空機とスウェーデンの航空機リース会社のロックトン社(Rockton AB)は現地時間の7月11日、英国で開催中の「第50回ファンボロー国際航空ショー」にて、MRJ90 20機(確定10機、オプション10機)の確定発注に向けて基本合意に至ったことを発表。航空機リース会社との基本合意は、2016年2月の米・航空機リース会社であるエアロリース社に続く2社目となる。

MRJ 90を最大20機で基本合意

ロックトン社は、1998年に設立されたスウェーデン・ストックホルムに拠点を置く航空機リース会社。両社は今回の基本合意をもとに、早期に正式契約の締結を予定している。三菱航空機にとって欧州企業との基本合意は今回が初、航空機リース会社との基本合意は今回が2社目であり、ロックトン社への納入は2020年に開始する見通しとなっている。

左から、三菱航空機代表取締役社長の森本浩通氏、ロックトン社のプレジデントであるニクラス・ルンド氏

ロックトン社プレジデントのニクラス・ルンド氏は、「優れた運航経済性の実現に向けて一から設計された機体、群を抜く客室の快適性、ならびにプラット&ホイットニー社製の新型PW1200Gエンジンを採用したMRJは、今後の空の旅のあり方を変える革新的な航空機です。この新たな航空機は、70~90席クラスの機体を検討している航空会社に最大級の経済的メリットを提供します。特に現行機と比べるとその差は明らかです。

MRJは騒音や排ガス規制の厳しい欧州市場での運航に適しているほか、 航続距離も長いため、リージョナルエアラインはMRJを活用して地方空港をつなぐ新規路線を開設できるようになります。三菱航空機のように航空宇宙業界で長年にわたり確固たる地位を築いてきた機体メーカーとパートナーシップを結ぶことができ、大変光栄です」とコメントしている。

ニクラス・ルンド氏「MRJは騒音や排ガス規制の厳しい欧州市場での運航に適している」

また、三菱航空機社長の森本浩通氏は、「欧州のリース会社であるロックトン社と基本合意に至ったことは、欧州での顧客基盤の拡大に向けて大きな弾みとなります。今回同社と基本合意を締結し、欧州でのMRJ拡販に向けて強力なパートナーを迎え入れられたことを大変うれしく思います。ロックトン社の誇る専門性と最新鋭のMRJを組み合わせることで、欧州の航空機リース市場に新たに足場を築き、顧客航空会社に広範にわたるソリューションを提供できるようになると確信しています」とコメントしている。

森本浩通氏「欧州での顧客基盤の拡大に向けて大きな弾み」

MRJはこれまでに407機を受注しており、今回のロックトン社、および2016年2月に締結したエアロリース社との基本合意がともに確定すると、MRJの合計受注機数は447機(確定243機、オプション180機、購入権24機)となります。なお、リージョナルジェット機市場では今後、20年間でおよそ5,000機の需要が見込まれており、航空会社の導入に加えリースでの需要も伸びが期待されている。

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