ANAは6月23日、2015年4月に発表した「ANAグループダイバーシティ&インクルージョン宣言」の一環として、性的マイノリティーにあたるLGBTに対する取り組みを実施することを発表。一般に対してはANAカードファミリーマイルの「ファミリー会員」登録の開始を、社員に対しては相談窓口や福利厚生を新設する。

ANAが設定したLGBTフレンドリーのシンボルマーク

この取り組みは、LGBTに対する社会的な課題認識が拡大している現状を受け、利用者サービスおよび社内の福利厚生などに関する対応を加速させ、多様な価値観を尊重する環境づくりを推進していくというもの。ANAでは同宣言の理念に基づき、6月16日、日本ブラインドサッカー協会(JBFA)とパートナーシップ契約を締結し、渡航を支援するほか、「スポ育」パートナーとして将来を担う次世代人材の教育活動をサポートし、共生社会の実現を目指す取り組みを発表した。

今回のLGBTへの取り組みとして、ANAはLGBTフレンドリーのシンボルマークを設定。飛行機の尾翼の形をしたデザインの上に、多様性を尊重する6色のレインボーカラーを配色することで、LGBTフレンドリーな翼のシンボルを表現している。

具体的には7月1日より、家族がそれぞれ貯めたマイルをシェアできるANAカードファミリーマイルの「ファミリー会員」登録を同性パートナーの場合も適用する。登録手数料は無料だが、登録には住民票と自治体が発行する同姓パートナーシップを証明する書類が必要となる。

また、羽田・成田・伊丹のANA LOUNGEおよびANA SUITE LOUNGEの多目的トイレについて、サイネージを7月より順次変更。LGBTの利用者も含めてより誰でも使いやすい、ユニバーサルな施設を目指す。

多目的トイレサイネージの例

社員向けには、社内にLGBT相談窓口を設置し、ANAグループ社員からの個別相談に応じる体制を整える。また、6月よりマネジメント層を対象として、LGBTに関する理解促進に向けた啓発プログラムの強化を実施。福利厚生制度においては、「同性パートナーを配偶者とみなす」ことを前提として、祝い金や弔慰金の支給、休暇など各種社内福利厚生制度への対応を進めていくという。